心電図所見で基準範囲内であるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
心電図の各波形や間隔には基準範囲が定められています。P波幅は0.10秒未満、PR時間は0.12~0.20秒、QRS時間は0.10秒未満が正常です。R-R間隔は心拍数に関連し、0.40秒では心拍数150/分となり頻脈です。一方、補正QT時間(QTc)は、男性で0.44秒未満、女性で0.46秒未満が正常範囲とされており、0.42秒はこの範囲内であるため、正しい選択肢となります。
選択肢ごとの解説
- 1. P波の正常な幅は通常0.10秒(100ms)未満であり、0.12秒(120ms)を超える場合はP波の延長と判断されます。0.20秒は著しく延長しています。正しくは:P波の幅は0.10秒(2.5mm)未満が基準範囲です。選びやすい理由:ECG波形の時間軸に関する知識が曖昧な場合、数値の感覚が掴みにくいかもしれません。混同注意:P波の形態異常や、PR時間など他の心電図指標と混同することがあります。
- 2. PR時間の正常範囲は0.12秒から0.20秒までです。0.20秒を超える場合は、第一度房室ブロックと診断されます。0.26秒は明らかに延長しています。正しくは:PR時間は0.12秒から0.20秒が基準範囲です。選びやすい理由:PR時間の基準値の下限(0.12秒)と上限(0.20秒)のいずれか一方のみを記憶している場合に間違えやすいです。混同注意:QT時間やQRS時間といった他の時間間隔と混同したり、PR短縮症候群と区別できていない場合があります。
- 3. QRS時間の正常範囲は通常0.10秒(100ms)未満であり、0.12秒(120ms)を超える場合は脚ブロックなどの異常な心室内伝導と診断されます。0.16秒は明らかに延長しています。正しくは:QRS時間は0.10秒(2.5mm)未満が基準範囲です。選びやすい理由:QRSの波形が比較的複雑なため、正常値の感覚が掴みにくい場合があります。混同注意:P波やPR時間の延長と、その生理的な意味合いを混同する可能性があります。
- 4. 正解。補正QT時間(QTc)の正常範囲は、男性で0.44秒未満、女性で0.46秒未満(一部の基準では0.45秒未満)とされています。0.42秒は男女ともに基準範囲内です。
- 5. R-R間隔が0.40秒の場合、心拍数は1分間に150回(60秒 ÷ 0.40秒 = 150回)となります。これは頻脈(一般的に100拍/分以上)に該当し、安静時の基準範囲内の心拍数(60~100拍/分)ではありません。正しくは:安静時のR-R間隔は0.6秒から1.0秒(心拍数60~100拍/分)が基準範囲です。選びやすい理由:R-R間隔自体が時間の指標であるため、他の時間間隔の異常値と混同しやすいです。また、心拍数への換算をしないと正常かどうかの判断が難しい場合があります。混同注意:徐脈時や不整脈時のR-R間隔と混同することがあります。
国試ポイント
心電図の主要な波形・間隔の基準値を正確に理解し、それぞれの異常がどのような病態を示すかを問う問題です。特にQTcは男女差や補正の概念があり、頻出の論点です。
混同注意
各波形や間隔の正常値と異常値を混同しやすいです。特に、秒単位の数値が類似しているため、それぞれの指標がどの部分を指しているか、またその臨床的意義を正確に把握していないと誤答につながります。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が問われた場合、各波形・間隔の正常値の上限・下限を正確に記憶しているか、そしてその値がどの部位の異常に対応するかを判断する力が求められます。特に、QTcの補正計算の概念や男女差も押さえておきましょう。
関連知識
心電図の基本波形(P, QRS, T)、各間隔(PR, QRS, QT)、その基準範囲と、それぞれの延長・短縮が示す代表的な疾患(例:P波延長→心房負荷、PR延長→房室ブロック、QRS延長→脚ブロック、QT延長→不整脈リスク)に関する知識が重要です。