動脈血酸素含量〈CaO₂〉の算出に必要なのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
動脈血酸素含量(CaO2)は以下の式で算出されます。CaO2 = (Hb濃度 × SaO2 × 1.34) + (PaO2 × 0.003)。この式からわかるように、ヘモグロビン濃度(Hb)と動脈血酸素分圧(PaO2)はCaO2を算出するために必須の要素です。SaO2(動脈血酸素飽和度)も必要ですが、選択肢には直接含まれていません(SpO2は推定値)。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。CaO2の算出式には、ヘモグロビンに結合した酸素量と、血漿中に溶解した酸素量の両方が含まれます。PaO2は血漿中に溶解する酸素量を決定する因子であり、この溶解酸素量もCaO2の計算に必要です。
- 2. SpO2はパルスオキシメトリーで非侵襲的に測定される動脈血酸素飽和度ですが、CaO2の算出には通常、より正確な動脈血酸素飽和度(SaO2)が用いられます。また、飽和度だけでなく、ヘモグロビン濃度も必要です。正しくは:SaO2(動脈血酸素飽和度)はCaO2の算出に用いられますが、SpO2は非侵襲的測定値であり、また単独では不足します。選びやすい理由:SpO2は酸素状態を示す指標として広く用いられるため、CaO2の計算に必要だと誤解しやすいです。しかし、CaO2の式では通常SaO2が使われ、さらにヘモグロビン濃度も不可欠です。混同注意:SaO2(動脈血酸素飽和度)と混同しやすい。SpO2はSaO2の推定値です。
- 3. 心拍出量は全身への酸素運搬量(DO2)の計算には必要ですが、動脈血自体の酸素含量(CaO2)の計算には直接関与しません。正しくは:心拍出量は全身への酸素運搬量(DO2 = CaO2 × 心拍出量)の計算に必要です。選びやすい理由:酸素運搬に関する指標であるため、CaO2と関連があると錯覚しやすいです。しかし、CaO2は『動脈血100ml中に含まれる酸素量』であり、循環量(心拍出量)とは独立した概念です。混同注意:全身への酸素運搬量(DO2)と混同しやすいです。
- 4. 正解。動脈血酸素含量(CaO2)の大部分は、ヘモグロビンと結合した酸素が占めています。そのため、ヘモグロビン濃度はCaO2を算出する上で不可欠な要素です。選びやすい理由:ヘモグロビン濃度は酸素運搬の主要な担い手であるため、CaO2の計算に必須であることが直感的に理解しやすい選択肢です。
- 5. PvO2は組織での酸素消費状態や心拍出量を反映する指標であり、動脈血酸素含量(CaO2)の算出には直接関係ありません。CaO2は動脈血側の指標です。正しくは:混合静脈血酸素分圧(PvO2)は、主に全身の酸素摂取量や組織の酸素消費量、心拍出量などの評価に用いられます。選びやすい理由:酸素分圧という言葉が含まれているため、CaO2に関連すると誤解しやすいですが、動脈血ではなく静脈血の指標です。混同注意:動脈血酸素分圧(PaO2)と混同しやすいです。また、動脈血と静脈血の酸素分圧の差は、酸素摂取量(VO2)の算出に用いられます。
国試ポイント
この問題は、動脈血酸素含量(CaO2)の算出式を理解しているか、また各因子の生理学的な意味を把握しているかを問うものです。特に、CaO2がヘモグロビン結合酸素と溶解酸素の合計であることを理解しているかが重要です。
混同注意
CaO2と全身への酸素運搬量(DO2)、PaO2とPvO2、SaO2とSpO2の違いについて混同しやすいです。それぞれの概念と算出式を明確に区別して理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、CaO2だけでなく、DO2やVO2の計算に必要な因子についても問われる可能性があります。また、各パラメータの基準値や異常時の臨床的意義についても理解しておくべきです。
関連知識
・CaO2の計算式とその各項目の意味。 ・酸素ヘモグロビン解離曲線。 ・全身への酸素運搬量(DO2)の計算式(DO2 = CaO2 × 心拍出量)。 ・酸素摂取量(VO2)の計算式(VO2 = 心拍出量 × (CaO2 - CvO2))。 ・PaO2、SaO2、SpO2、PvO2のそれぞれの意味と測定法。