血清尿素窒素濃度をウレアーゼ・グルタミン酸脱水素酵素法の終点法で測定した。血清0.02 mLに試薬1.98 mLを加えたところ、340 nmの吸光度が0.630低下した。 血清尿素窒素濃度[mg/dL]はどれか。 ただし、窒素(N)の原子量は14、NADHのモル吸光係数は6.3×10³ L・mol⁻¹・cm⁻¹とする。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
尿素1分子からアンモニアが2分子でき、アンモニア1分子あたりNADHが1分子消費されます。尿素窒素(N)1原子あたりNADH 1分子が消費されるので、NADHの減少量がそのまま窒素の物質量になります。反応液中のNADH減少量は0.630 ÷ (6.3×10³ × 1 cm) = 1.0×10⁻⁴ mol/Lです。検体は0.02 mL → 2.00 mLで100倍に希釈されているので、血清中の窒素は1.0×10⁻² mol/L = 0.14 g/L = 14 mg/dLとなります(公式正答1)。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。NADHの減少量1.0×10⁻⁴ mol/L(0.630 ÷ 6.3×10³)に希釈倍率100を掛けると血清中の窒素は1.0×10⁻² mol/L、原子量14を掛けて0.14 g/L = 14 mg/dLです。
- 2. 計算ミス、または尿素窒素(2N)の概念とNADHの消費量を混同している可能性がある。例えば、尿素の分子量(約60)とNの原子量(14)の区別がついていない場合、あるいは希釈倍率の計算を誤っている場合にこの値になる可能性がある。正しくは:正しい計算経路と原子量の適用を確認する必要がある。選びやすい理由:尿素分子には2つの窒素原子が含まれるため、「2倍」するという発想から誤って選択しやすい。混同注意:尿素分子に含まれる窒素原子数と、NADHのモル吸光係数を用いた計算式の適用方法を混同している。
- 3. 計算ミス、またはNADHのモル吸光係数や希釈倍率を誤って適用している可能性がある。正しくは:各数値の代入と計算手順を再確認する必要がある。選びやすい理由:特定の計算ミスによって生じる可能性のある数値で、選択肢として提示されることで正答のように見えてしまう。混同注意:特定の計算因子を誤って考慮した場合に導かれる可能性がある。
- 4. 計算ミス、または尿素の分子量や尿素窒素の概念、希釈倍率のいずれかを誤解している可能性がある。正しくは:計算式全体を見直し、特に単位変換と希釈倍率の適用を確認する必要がある。選びやすい理由:28の2倍、など特定の関係性から誤って導かれる可能性のある数値。混同注意:尿素窒素の計算に関する基本的な概念を誤って適用している。
- 5. 計算ミス、またはNADHのモル吸光係数や希釈倍率、単位変換を誤って適用している可能性が高い。正しくは:計算式に代入する数値とその単位、希釈倍率の適用を正しく行う必要がある。選びやすい理由:非常に大きな誤りによって生じる可能性のある数値で、焦りから確認を怠ると選んでしまうかもしれない。混同注意:計算の最終段階で大きな単位換算ミスなどがある場合に生じる可能性。
国試ポイント
ウレアーゼ・グルタミン酸脱水素酵素法における尿素窒素の定量計算は、Lambert-Beerの法則とNADHのモル吸光係数を正確に用い、希釈倍率と単位変換を適切に行うことが求められます。特に、尿素窒素(N)として計算する際の原子量(14)の適用と、尿素分子が2つの窒素原子を持つことの意味を理解しているかが問われます。
混同注意
尿素の分子量(約60)と尿素窒素の分子量(28)、窒素原子の原子量(14)の区別。尿素1分子から2分子のアンモニアが生成されることと、NADHの消費量の換算方法。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、①測定原理(NADHの増減)の確認、②Lambert-Beerの法則を用いた濃度計算、③希釈倍率の適用、④適切な原子量・分子量の選択、⑤単位変換の正確性、の5点に注目して解く。
関連知識
Lambert-Beerの法則、酵素反応を用いた吸光度測定の原理、モル吸光係数の定義、生化学検査における単位変換(mol/Lからmg/dLなど)。