簡易型終夜睡眠ポリグラフィで測定できないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
簡易型終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)は、限られたセンサーで睡眠呼吸障害のスクリーニングを行う検査であり、脳波、眼球運動、オトガイ筋電図などの電極を装着しないため、これらの情報を基に判定される睡眠段階を正確に評価することはできません。睡眠段階の判定には、これらの生体信号が必須です。
選択肢ごとの解説
- 1. 脈拍はパルスオキシメータの機能として経皮的に測定可能であり、簡易型PSGでも通常測定されます。選びやすい理由:簡易型でも一般的に測定されるため、正しい選択肢ではないと判断できる。混同注意:精密型PSGでしか測定できない項目と混同しない。
- 2. 気道音(いびき音)はマイクを用いて測定可能であり、睡眠呼吸障害の診断に有用なため、簡易型PSGでも測定されます。選びやすい理由:睡眠呼吸障害の主要な症状の一つであるため、測定されることは明らか。混同注意:呼吸努力やフローの測定と混同しない。
- 3. 胸郭運動は呼吸努力の指標として呼吸センサー(例:圧センサー、インダクタンスプレチスモグラフィ)により測定可能であり、簡易型PSGでも測定されます。選びやすい理由:閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性睡眠時無呼吸症候群の鑑別に必要なため、簡易型でも測定される。混同注意:腹部運動と合わせて呼吸努力として評価されることを理解する。
- 4. 正解。睡眠段階は脳波、眼球運動、オトガイ筋電図などの生体信号を総合的に判断して決定されますが、簡易型PSGではこれらの電極が装着されないため、睡眠段階を測定・判定することはできません。選びやすい理由:睡眠呼吸障害の検査だから睡眠の質も測れると誤解しやすいが、簡易型は脳波などがないため睡眠段階は評価できない。混同注意:精密型PSGで測定できる項目と混同しない。
- 5. 経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)はパルスオキシメータにより測定され、睡眠中の低酸素血症の評価に必須であり、簡易型PSGでも通常測定されます。選びやすい理由:睡眠呼吸障害の主要な指標であるため、測定されることは明らか。混同注意:簡易型でも測定可能な項目であることを理解する。
国試ポイント
睡眠ポリグラフィの簡易型と精密型の違い、およびそれぞれの検査で測定可能な項目と判定できる内容を理解する。
混同注意
簡易型PSGは、睡眠呼吸障害の診断においてスクリーニングとして非常に有用ですが、睡眠の質や詳細な睡眠構造(REM睡眠行動障害など)を評価する精密型PSG(完全PSG)とは区別されます。
次に同じ論点が出たら
簡易型PSGで測定できない項目を問われた場合、睡眠の「質」や「構造」に関わる脳波由来の指標(睡眠段階など)に注目して判断します。スクリーニング目的の簡易型は主に呼吸関連イベントの検出に特化しています。
関連知識
精密型PSGでは、脳波、眼球運動、オトガイ筋電図、下肢筋電図なども測定し、睡眠段階の判定(覚醒、N1, N2, N3, REM)や、周期性四肢運動などの睡眠関連運動障害の診断が可能です。