超音波検査で体表からの観察に用いる周波数が最も低い探触子を使用する臓器はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
超音波検査では、周波数が高いほど分解能は向上しますが、深部への透過性が低下します。逆に、周波数が低いほど深部への透過性は向上しますが、分解能は低下します。心臓は肋骨の間から深部まで超音波を到達させる必要があり、広い範囲を低分解能でも良いから全体像を把握するために、最も低い周波数域の探触子が選択されます(通常2.0~5.0MHz)。他の選択肢の臓器は、乳腺が体表に近く高周波(7MHz以上)、肝臓、膵臓、膀胱などの腹部臓器は中程度の周波数(3.0~5.0MHz程度)が一般的に用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 乳腺は体表に近い臓器であり、高分解能が求められるため、高周波数の探触子(7MHz以上、場合によっては10MHz以上)が用いられます。低周波数は深部への透過力はありますが、分解能が低下します。正しくは:乳腺の超音波検査には、一般的に7MHz以上の高周波探触子が使用されます。選びやすい理由:体表に近い臓器なので、超音波が届きやすいと感じるかもしれませんが、求められるのは分解能です。混同注意:深部臓器と体表臓器での周波数の使い分け。
- 2. 正解。心臓は肋骨の間から観察する必要があり、また心臓内部の深部構造まで超音波を到達させる必要があるため、深達性に優れた低い周波数(一般的に2.0~5.0MHz程度)の探触子が選択されます。特に成人心臓では低周波数が必須です。
- 3. 肝臓は比較的大きな臓器で、腹部深部に位置しますが、心臓ほど深いわけではありません。一般的には腹部臓器全般で3.0~5.0MHz程度の探触子が使われますが、心臓よりもわずかに高い周波数が用いられることがあります。この選択肢の中では心臓より高い周波数です。正しくは:肝臓の超音波検査には、一般的に3.0~5.0MHz程度の探触子が使用されます。選びやすい理由:腹部深部の臓器なので、低周波数が必要だと誤解する可能性があります。混同注意:各臓器の深さと最適な周波数の関係。
- 4. 膵臓は腹部深部に位置しますが、胃や腸管ガスの影響を受けやすく、画質確保のためにはある程度の周波数が必要です。一般的には肝臓と同様に3.0~5.0MHz程度の探触子が用いられます。この選択肢の中では心臓より高い周波数です。正しくは:膵臓の超音波検査には、一般的に3.0~5.0MHz程度の探触子が使用されます。選びやすい理由:腹部深部の臓器なので、低周波数が必要だと誤解する可能性があります。混同注意:各臓器の深さと最適な周波数の関係。
- 5. 膀胱は骨盤内の比較的浅い位置にある臓器で、特に水分を貯留しているため超音波の透過が良いです。腹部臓器としては標準的な3.0~5.0MHz程度の探触子が用いられますが、心臓よりは高い周波数です。正しくは:膀胱の超音波検査には、一般的に3.0~5.0MHz程度の探触子が使用されます。選びやすい理由:水分が多く透過しやすいため、高周波も使えると考えるかもしれませんが、腹部臓器としての標準周波数です。混同注意:各臓器の深さと最適な周波数の関係。
国試ポイント
超音波の周波数と深達性・分解能の関係、および主要な臓器における標準的な探触子周波数を理解しているかを問う問題です。特に心臓検査で低周波探触子が使用される理由を正確に把握しておく必要があります。
混同注意
深部臓器だからといって一律に低周波数を使うわけではないこと。特に心臓は肋骨の影響や広範囲の深達性が必要なため、その必要性が高い。体表に近い臓器でも、分解能が必要な場合は高周波数を使う。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各臓器の解剖学的な深さ、要求される分解能、そして周囲の骨やガスの影響などを総合的に考慮して、最適な周波数を判断できるか。
関連知識
超音波の物理学的特性(周波数、波長、音速、減衰)、探触子の種類(コンベックス、リニア、セクタなど)とその使い分け、各臓器の解剖学的特徴と観察に適した周波数。