環境問題とその原因物質の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
六価クロムは産業廃水や廃棄物などから土壌や地下水に浸透し、地下水汚染の主要な原因となります。その毒性は高く、発がん性などの健康被害を引き起こすため、環境基準が設けられ厳しく管理されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 酸性雨の主要な原因物質は、工場や自動車から排出される硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)です。PM2.5は呼吸器系への影響が大きい粒子状物質であり、酸性雨の直接的な原因ではありません。正しくは:酸性雨 — 硫黄酸化物、窒素酸化物選びやすい理由:PM2.5が大気汚染物質として広く知られているため、一般的な環境問題と安易に結びつけてしまう可能性があります。混同注意:酸性雨とPM2.5がともに大気汚染に関連する問題であるため、混同しやすいかもしれません。
- 2. 二酸化炭素(CO2)は地球温暖化の主要な原因物質であり温室効果ガスですが、一般的な意味での大気汚染(人の健康や生活環境に直接悪影響を及ぼす物質)の主要な原因物質とは異なります。大気汚染の主な原因には、硫黄酸化物、窒素酸化物、浮遊粒子状物質などが挙げられます。正しくは:地球温暖化 — 二酸化炭素 (または 大気汚染 — 硫黄酸化物)選びやすい理由:二酸化炭素が環境問題の代表的な原因物質であるため、大気汚染という大カテゴリと結びつけやすいかもしれません。混同注意:地球温暖化と大気汚染という異なる環境問題を混同する可能性があります。
- 3. ダイオキシンは非常に毒性の高い環境汚染物質であり、人の健康に深刻な影響を与えることで知られていますが、地球温暖化の直接的な原因物質ではありません。地球温暖化の主な原因は、二酸化炭素などの温室効果ガスです。正しくは:環境汚染(内分泌かく乱作用など) — ダイオキシン (または 地球温暖化 — 二酸化炭素)選びやすい理由:ダイオキシンが著名な環境汚染物質であるため、有名な環境問題である地球温暖化と結びつけてしまいやすいかもしれません。混同注意:毒性の強い特定の環境汚染物質(ダイオキシン)が、地球規模の一般的な環境問題(地球温暖化)の原因であるかのように誤解する可能性があります。
- 4. 正解。六価クロムは非常に毒性の高い重金属であり、工場廃水や廃棄物などから土壌や地下水へ浸透し、地下水汚染の主要な原因物質となります。発がん性や皮膚疾患などの健康被害を引き起こすことが知られています。
- 5. オゾン層破壊の主な原因物質は、フロンガスなどのハロゲン系化合物です。光化学オキシダントは、大気中の窒素酸化物や揮発性有機化合物が太陽光を受けて生成される二次汚染物質であり、光化学スモッグの原因となりますが、オゾン層破壊とは直接関連がありません。正しくは:オゾン層破壊 — フロン (または 光化学スモッグ — 光化学オキシダント)選びやすい理由:オゾン層もオゾン(O3)であり、光化学オキシダントもオゾンを含むため、名称の類似性から混同しやすいかもしれません。混同注意:オゾン層のオゾンと、地上付近で発生する光化学オキシダント(その主成分がオゾン)を混同し、それぞれの原因物質も誤って結びつけてしまう可能性があります。
国試ポイント
この問題は、主要な環境問題と、それぞれの原因となる代表的な物質の組み合わせに関する基本的な知識を問うものです。各環境問題の名称だけでなく、その具体的な原因物質を正確に理解していることが重要です。
混同注意
環境問題は多岐にわたり、それぞれが異なる原因物質を持つため、混同しやすい点が狙われやすいです。特に、名称に類似性があったり、同じ大気に関連する問題であったりすると、間違えやすい傾向にあります。例えば、オゾン層のオゾンと光化学オキシダントのオゾンを混同する、地球温暖化と大気汚染を混同するなどが挙げられます。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出た場合は、まず各選択肢の環境問題と原因物質が本当に一致しているかを一つ一つ確認します。特に「大気汚染」など広範な概念と、特定の物質が結びついている場合は、その物質が本当にその環境問題の主要原因であるか、あるいは別の環境問題の原因ではないかという視点で判断することが重要です。
関連知識
環境基本法や水質汚濁に係る要監視項目、特定有害物質に関する知識も関連します。六価クロムは特定有害物質に指定されており、環境基準値が定められています。フロンガス(オゾン層破壊)、硫黄酸化物・窒素酸化物(酸性雨、大気汚染)、二酸化炭素(地球温暖化)、ダイオキシン(内分泌かく乱作用、高毒性有機汚染物質)などの主要な物質とその影響についても理解が必要です。