骨格筋のエネルギー源はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
骨格筋が急激に収縮する際には、まず貯蔵されているATPが消費されます。ATPがADPに分解されると、クレアチンリン酸が速やかにリン酸基をADPに供与し、ATPを再合成します。この反応はクレアチンキナーゼ(CK)によって触媒され、非常に迅速にエネルギーを供給できるため、短時間で高強度の運動時に重要な役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. グリシンはアミノ酸の一種で、コラーゲンの構成成分や神経伝達物質として機能しますが、骨格筋の直接的なエネルギー源ではありません。正しくは:グリシンはアミノ酸であり、骨格筋の即時エネルギー源ではありません。選びやすい理由:アミノ酸であるため、エネルギー産生に関与すると誤解されやすいかもしれません。混同注意:他のアミノ酸やエネルギー産生に関わる中間代謝物と混同される可能性があります。
- 2. アルギニンはアミノ酸の一種で、一酸化窒素の産生や尿素回路に関与しますが、骨格筋の直接的な即時エネルギー源ではありません。クレアチンの合成材料の一部ではあります。正しくは:アルギニンはアミノ酸であり、クレアチンの材料にはなりますが、骨格筋の即時エネルギー源ではありません。選びやすい理由:クレアチンの合成に関与するため、間接的にエネルギー代謝と結びつけてしまいやすいかもしれません。混同注意:他のアミノ酸やクレアチンリン酸と混同される可能性があります。
- 3. クレアチン自体は、ATPからリン酸を受け取ってクレアチンリン酸となり、エネルギーを貯蔵する形態です。直接的な即時エネルギー源はクレアチンリン酸であり、クレアチンではありません。正しくは:クレアチンはリン酸と結合することで、クレアチンリン酸としてエネルギーを貯蔵する物質です。直接の即時エネルギー源ではありません。選びやすい理由:クレアチンリン酸と名前が似ているため、混同して選びやすいです。また、サプリメントとして摂取されることもあり、エネルギー代謝と関連が深いと誤解されやすいです。混同注意:クレアチンリン酸と混同される可能性が非常に高いです。クレアチンとクレアチンリン酸は、リン酸の有無で役割が異なります。
- 4. クレアチニンはクレアチンリン酸の代謝産物であり、主に腎臓から排泄されます。エネルギー源としては全く機能しません。正しくは:クレアチニンはクレアチンリン酸の代謝老廃物であり、エネルギー源ではありません。選びやすい理由:クレアチンやクレアチンリン酸と名前が似ているため、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:クレアチン、クレアチンリン酸と混同されやすいです。クレアチニンは老廃物である点が重要です。
- 5. 正解。骨格筋では、ATPが消費されてADPになると、クレアチンリン酸がそのリン酸を高エネルギーリン酸結合の形でADPに渡し、ATPを速やかに再生します。これにより、筋収縮に必要な即時エネルギーが供給されます。
国試ポイント
骨格筋のエネルギー代謝経路、特にクレアチンリン酸によるATPの迅速な補充機構について理解しているか問う問題です。クレアチン、クレアチニンとの違いを明確に区別できるかどうかがポイントです。
混同注意
クレアチンとクレアチンリン酸、さらに老廃物であるクレアチニンは、名前が似ているため非常に混同しやすいです。それぞれの物質の役割と代謝経路を正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、骨格筋のエネルギー供給システム全体の概要(どの運動強度や持続時間でどのシステムが主に使われるか)を問う問題や、各代謝経路の具体的な産物や酵素について問われる可能性があります。また、クレアチンキナーゼ(CK)の臨床的意義(筋疾患や心筋梗塞時の逸脱酵素)についても関連付けて学習しておくべきです。
関連知識
ATP-PCr系(リン酸クレアチン系)、解糖系、有酸素呼吸(クエン酸回路、電子伝達系)といった骨格筋の様々なエネルギー供給システム。クレアチンキナーゼ(CK)の役割。クレアチニンの生成と腎機能指標としての利用。