蛋白質の生合成で誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
転写過程では、DNAを鋳型としてRNAを合成するため、DNA依存性RNAポリメラーゼという酵素が必要です。RNA依存性DNAポリメラーゼは逆転写酵素の別名であり、RNAを鋳型としてDNAを合成する際に用いられるため、記述は適切ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. DNAは細胞核に存在し、核内でmRNAへの転写が行われます。このmRNAが核外へ運ばれて翻訳されます。選びやすい理由:正しい記述だから。混同注意:翻訳が細胞質で行われる点と混同するかもしれないが、転写は核内である。
- 2. リボソームはrRNAとタンパク質からなる複合体で、mRNAのコドンを読み取り、tRNAが運んできたアミノ酸を結合させてタンパク質を合成します。選びやすい理由:正しい記述だから。混同注意:転写が核内で行われる点と混同するかもしれないが、翻訳はリボソームである。
- 3. プロモーターは遺伝子の上流に位置し、RNAポリメラーゼが結合する領域です。転写因子はプロモーターに結合して転写の開始を調節します。選びやすい理由:正しい記述だから。混同注意:エンハンサーやサイレンサーといった他の制御領域と混同するかもしれないが、プロモーターは転写開始に関わる。
- 4. アミノアシル-tRNAシンテターゼが特定のアミノ酸をtRNAに結合させる反応には、ATPを加水分解して得られるエネルギーが利用されます。選びやすい理由:正しい記述だから。混同注意:ペプチド結合の形成エネルギー源と混同するかもしれないが、アミノ酸のtRNA結合にもATPが必要。
- 5. 正解。転写過程では、DNAを鋳型としてRNAを合成するため、DNA依存性RNAポリメラーゼが必要です。RNA依存性DNAポリメラーゼはRNAを鋳型としてDNAを合成する酵素であり、転写には関与しません。正しくは:転写過程では、DNA依存性RNAポリメラーゼという酵素が必要です。選びやすい理由:「ポリメラーゼ」という言葉があるため、何らかの合成酵素として正しいように見える。混同注意:DNA依存性RNAポリメラーゼ(転写酵素)とRNA依存性DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)の機能、およびDNAポリメラーゼ(DNA複製酵素)の機能を混同しやすい。
国試ポイント
遺伝子発現における転写・翻訳の各過程と、それぞれの過程で働く主要な酵素や細胞内小器官の役割を理解する。
混同注意
DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、逆転写酵素(RNA依存性DNAポリメラーゼ)のそれぞれの機能と、どの核酸を鋳型にして何を合成するかを混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
「〜依存性〜ポリメラーゼ」という酵素名が出てきたら、依存する鋳型(〜依存性)と合成する高分子(〜ポリメラーゼ)が正しく対応しているかを確認する。
関連知識
セントラルドグマ(DNA→RNA→タンパク質)、それぞれの段階で関わる酵素(DNAヘリカーゼ、DNAリガーゼ、アミノアシルtRNAシンテターゼなど)、リボソームの構造と機能(大小サブユニット、A・P・E部位)。