健常成人における鉄の体内分布比率が最も高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
健康成人における鉄の体内分布において、赤血球中のヘモグロビンに含まれる鉄が最も大きな割合を占め、総鉄量の約70%に相当します。これは酸素運搬という生命維持に不可欠な機能に直接関与するためです。次いで貯蔵鉄(フェリチン、ヘモシデリン)が約15〜20%、ミオグロビン鉄が約4%、そしてその他機能鉄(酵素など)や血清鉄が残りの割合を占めます。
選択肢ごとの解説
- 1. 血清鉄は血中のトランスフェリンに結合した鉄を指し、運搬中の鉄ですが、体内総鉄量に占める割合は非常に小さいです(約0.1%)。正しくは:体内総鉄量の大部分を占めるのはヘモグロビン鉄です。選びやすい理由:血液検査で測定される項目なので身近に感じるかもしれませんが、体内の貯蔵量や機能的な量とは異なります。混同注意:貯蔵鉄(フェリチンやヘモシデリン)や機能鉄(ヘモグロビンやミオグロビン)の総量と混同しやすいです。
- 2. 組織鉄という用語はやや広義ですが、主に細胞内の機能鉄(酵素の補因子など)や貯蔵鉄を指します。体内の主要な鉄の形態であるヘモグロビン鉄を含まないため、最も高い比率ではありません。正しくは:体内総鉄量の大部分を占めるのはヘモグロビン鉄です。選びやすい理由:「組織」という言葉から広く体全体を連想し、多くの鉄が含まれると誤解する可能性があります。混同注意:機能鉄(ヘモグロビン、ミオグロビン、酵素鉄など)や貯蔵鉄(フェリチン、ヘモシデリン)といった具体的な形態と混同しやすいです。
- 3. 貯蔵鉄はフェリチンやヘモシデリンとして肝臓、脾臓、骨髄などに蓄えられます。健康成人では体内総鉄量の約15〜20%を占めますが、ヘモグロビン鉄の割合よりは低いです。正しくは:健康成人における鉄の体内分布比率が最も高いのはヘモグロビン鉄です(約70%)。選びやすい理由:鉄欠乏性貧血などで貯蔵鉄の重要性が強調されるため、その量が非常に多いと誤解しやすいです。混同注意:機能鉄(特にヘモグロビン鉄)と貯蔵鉄の相対的な割合を混同しやすいです。貯蔵鉄は体内の鉄量を反映しますが、最も多いわけではありません。
- 4. 正解。健康な成人では、体内の総鉄量の約70%が赤血球中のヘモグロビンに結合した形で存在します。これは酸素運搬という重要な機能に関わるため、最も比率が高いです。
- 5. ミオグロビン鉄は筋肉組織に存在し、酸素を貯蔵・運搬する役割を担いますが、体内総鉄量に占める割合はわずか約4%程度です。正しくは:体内総鉄量の大部分を占めるのはヘモグロビン鉄です。選びやすい理由:「筋肉」という大量の組織に存在するため、量が多いと想像しやすいですが、ヘモグロビン鉄と比較するとはるかに少ないです。混同注意:ヘモグロビン鉄と同様に酸素結合タンパク質の一部であるため、その比率を混同しやすいです。ミオグロビン鉄はヘモグロビン鉄よりもずっと少ないです。
国試ポイント
健常成人における体内の鉄の分布と主要な存在形態を理解しているか、特にヘモグロビン鉄が最も多くを占めるという基本的な知識を問う問題です。各選択肢の鉄の機能と相対的な量を正確に把握しておく必要があります。
混同注意
機能鉄(ヘモグロビン鉄、ミオグロビン鉄、酵素鉄)と貯蔵鉄(フェリチン鉄、ヘモシデリン鉄)の区別、およびそれぞれの体内総鉄量に占める割合を混同しやすい。特に、貯蔵鉄が体内の鉄の状態を評価する上で重要であるため、その量が多いと誤解する可能性があります。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、各鉄形態の機能的役割と、それぞれの体内でのおおよその比率(%)を正確に判断できるかを確認します。特に、機能鉄と貯蔵鉄のバランスについて問われる可能性もあります。
関連知識
鉄代謝の基本的な経路(吸収、運搬、利用、貯蔵、排泄)、鉄欠乏性貧血の診断基準(血清鉄、フェリチン、TIBC、トランスフェリン飽和度など)、および鉄過剰症の疾患(ヘモクロマトーシスなど)について。