赤血球浸透圧抵抗検査で抵抗性が減弱するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
遺伝性球状赤血球症の赤血球は、膜の異常により球状化しており、正常赤血球に比べて表面積に対する体積の比率が高いです。この形態的特徴のため、低張液中で水が細胞内へ流入すると、早期に膨張限界に達し、溶血しやすい(浸透圧抵抗が減弱する)特性があります。この性質は、遺伝性球状赤血球症の診断において重要な検査所見となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝硬変症では標的赤血球が出現し、浸透圧抵抗はむしろ増強する傾向があります。正しくは:肝硬変症では浸透圧抵抗が増強します。選びやすい理由:貧血を伴うことがあるため、赤血球の異常を連想しやすいかもしれません。混同注意:他の溶血性貧血や赤血球形態異常を伴う疾患と混同しやすいです。
- 2. サラセミアでは低色素性小赤血球や標的赤血球が見られ、浸透圧抵抗は増強します。正しくは:サラセミアでは浸透圧抵抗が増強します。選びやすい理由:小赤血球性貧血であるため、赤血球の脆弱性と誤解しやすいかもしれません。混同注意:鉄欠乏性貧血と同様に小赤血球を呈するため、鑑別点を理解していないと混同しやすいです。
- 3. 鉄欠乏性貧血では小球性低色素性赤血球が見られ、浸透圧抵抗は増強します。正しくは:鉄欠乏性貧血では浸透圧抵抗が増強します。選びやすい理由:最も一般的な貧血であるため、選択肢として選びやすいですが、抵抗性は増強します。混同注意:赤血球が小さくても浸透圧抵抗は増強するという点を混同しやすいです。
- 4. 甲状腺機能亢進症は通常、赤血球の浸透圧抵抗には直接影響を与えません。正しくは:甲状腺機能亢進症は赤血球浸透圧抵抗に直接的な影響はありません。選びやすい理由:全身性疾患であり、貧血を伴う場合があるため、赤血球異常との関連を考えてしまいがちです。混同注意:貧血を伴う疾患全般と混同しやすいですが、その原因と赤血球浸透圧抵抗との関連性を理解することが重要です。
- 5. 正解。遺伝性球状赤血球症では、赤血球が球状に変形し、表面積/体積比が減少しています。このため、少量の低張液でも容易に溶血し、浸透圧抵抗は減弱(低下)します。
国試ポイント
この問題は、赤血球浸透圧抵抗検査の原理と、特定の疾患における赤血球の形態的特徴およびそれが浸透圧抵抗に与える影響についての知識を問うものです。特に、浸透圧抵抗が「減弱」する疾患と「増強」する疾患を区別できることが重要です。
混同注意
浸透圧抵抗が「減弱」する疾患(例: 遺伝性球状赤血球症)と「増強」する疾患(例: 鉄欠乏性貧血、サラセミア、肝硬変症)を混同しやすいです。赤血球の形態(球状赤血球、標的赤血球、小赤血球)と膜の性質が浸透圧抵抗にどう影響するかを理解することがポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、まず「浸透圧抵抗が減弱するのか、それとも増強するのか」を明確にし、それぞれのグループに属する代表的な疾患を想起できるかを確認します。特に、球状赤血球が関与する疾患は減弱、標的赤血球や小赤血球が関与する疾患は増強と覚えると良いでしょう。
関連知識
遺伝性球状赤血球症の主要な原因遺伝子(アンキリン、スペクトリン、バンド3など)、診断に用いられるその他の検査(直接クームス試験陰性、EMA結合試験、赤血球寿命短縮)、治療(脾臓摘出術)。鉄欠乏性貧血やサラセミアで浸透圧抵抗が増強する理由(表面積/体積比が相対的に大きくなるため)。