イムノクロマト法による抗原検査が行われているのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
RSウイルスとインフルエンザウイルスは、迅速な診断が求められるウイルス感染症であり、イムノクロマト法を用いた抗原検査キットが広く普及し、医療現場で一般的に使用されています。特に乳幼児のRSウイルス感染症や、インフルエンザの治療薬適応を判断するために重要な検査です。EBウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルスの診断には、主に抗体検査やPCR法が用いられ、イムノクロマト法による抗原検査は一般的ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。RSウイルス感染症は、特に乳幼児において重症化するリスクがあるため、迅速な診断が求められます。イムノクロマト法を用いた抗原検査キットが広く普及しており、鼻咽頭拭い液などを用いて簡便かつ迅速に検査が可能です。
- 2. EBウイルス感染症(伝染性単核球症など)の診断には、主に抗体検査(VCA-IgM, VCA-IgG, EBNAなど)やPCR法が用いられます。イムノクロマト法による抗原検査は一般的ではありません。正しくは:EBウイルス感染症の診断には、主に抗体検査(VCA-IgM, VCA-IgG, EBNAなど)やPCR法が用いられます。選びやすい理由:ウイルス感染症であるため、他のウイルスと同様に抗原検査があるのではないかと推測してしまうかもしれません。混同注意:他の一般的なウイルス感染症で迅速抗原検査があるもの(インフルエンザ、RSウイルスなど)と混同しやすいです。
- 3. 麻疹の診断では、主に抗体検査(IgM抗体、ペア血清でのIgG抗体上昇)やPCR法が用いられます。イムノクロマト法による抗原検査は一般的ではありません。正しくは:麻疹の診断には、主に抗体検査(IgM抗体など)やPCR法が用いられます。選びやすい理由:発疹を伴う感染症であるため、臨床症状から鑑別が必要となる点で迅速診断の必要性を感じるかもしれませんが、抗原検査は一般的ではありません。混同注意:他の迅速診断が可能な発疹性疾患と混同する可能性があります。
- 4. ムンプス(おたふくかぜ)の診断では、主に臨床症状、流行状況、血清アミラーゼ値、IgM抗体検査が用いられます。イムノクロマト法による抗原検査は一般的ではありません。正しくは:ムンプスの診断には、主に臨床症状、抗体検査、あるいはPCR法が用いられます。選びやすい理由:唾液腺の腫脹という特徴的な症状から迅速診断をイメージするかもしれませんが、抗原検査は普及していません。混同注意:他のウイルス性疾患での迅速診断方法と混同しやすいです。
- 5. 正解。インフルエンザウイルス感染症は、罹患者数が多く、治療薬の適応や感染拡大防止の観点から迅速な診断が非常に重要です。イムノクロマト法を用いた迅速抗原検査キットは広く普及しており、診療所で簡便に実施されています。
国試ポイント
この問題は、主要な感染症の診断法、特に迅速診断が可能なウイルス性疾患とその検査方法(イムノクロマト法)に関する知識を問うものです。臨床で実際に用いられる検査法の知識が重要視されています。
混同注意
様々なウイルス感染症の診断法が混在するため、どのウイルスにどの検査法が一般的かを正確に覚えていないと、誤った選択をしてしまいがちです。特に抗体検査と抗原検査の違いや、迅速検査の対象となる疾患を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の迅速診断が可能なウイルス(例:アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルスなど)や細菌感染症(例:A群β溶血性レンサ球菌咽頭炎)におけるイムノクロマト法の適用について問われる可能性があります。また、診断に抗体検査が主となるウイルス感染症(例:HIV、HBV、HCV、風疹、水痘)との対比も重要です。
関連知識
イムノクロマト法は、抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法の一つで、検体中の特定成分(抗原または抗体)を簡便かつ迅速に検出します。判定ラインとコントロールラインの有無で結果を判断し、医療機関での迅速診断に広く用いられています。インフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、ノロウイルス(一部)、溶連菌などの迅速検査で利用されます。