電圧増幅度がそれぞれ4倍、10倍、100倍の増幅器を直列に接続したとき総合した増幅度[dB]はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
複数の増幅器を直列接続した場合、全体の電圧増幅度(倍率)はそれぞれの増幅度の積となります。本問では4倍、10倍、100倍なので、総合電圧増幅度は4 × 10 × 100 = 4000倍です。この倍率をdB値に変換するには、電圧増幅度の場合、G[dB] = 20 log10(G[倍率]) の式を使用します。計算すると、20 log10(4000) = 20 × (log10(4) + log10(1000)) = 20 × (0.602 + 3) = 20 × 3.602 = 72.04 dB となります。したがって、最も近い選択肢は72です。また、各増幅器のdB値を計算し、それを合計しても同じ結果が得られます。20log10(4) ≈ 12.04dB、20log10(10) = 20dB、20log10(100) = 40dB。合計すると12.04 + 20 + 40 = 72.04dB。
選択肢ごとの解説
- 1. 誤った計算結果です。電圧増幅度のdB変換や直列接続時の計算方法を誤っている可能性があります。正しくは:総合電圧増幅度を正確に計算し、20log10(総合電圧増幅度)の式を用いてください。選びやすい理由:おそらく、各増幅度のdB値を個別に計算する際に、log10(4)を大きく誤認したか、単純な足し算の間違いなどにより導き出された値だと考えられます。混同注意:dBの計算式(特に20log10か10log10か)や、logの性質に関する理解が不十分な場合に生じる間違いです。
- 2. 誤った計算結果です。dB変換の基本式やlogの計算に誤りがあると考えられます。正しくは:電圧増幅度は直列接続で乗算され、その結果を20log10で変換します。選びやすい理由:特定のlog値の近似を誤って適用した場合や、部分的なdB値を間違った方法で合計した場合にこの値になる可能性があります。混同注意:log10(X)の計算、特にlog10(4)のような非整数値に対する理解不足や、電圧増幅度と電力増幅度の混同から生じる可能性があります。
- 3. 誤った計算結果です。電圧増幅度の総合計算が正しく行われていません。正しくは:直列接続された増幅器の総合電圧増幅度(倍率)は、個々の増幅度の積で求められます。選びやすい理由:各増幅度を単純に足し算したり(4+10+100=114)、その後に誤った対数変換を行うと、このような誤った値にたどり着く可能性があります。例えば20log10(114)は41.1dB程度です。混同注意:総合増幅度を計算する際に、倍率を足し算すると勘違いしたり、dB値の計算式を間違えたりすることが原因です。
- 4. この値は、各増幅度のdB値を個別に計算して足し合わせた際に、log10(4)の近似値を『6dB』と誤って解釈した場合に導かれる結果です。正しくは:電圧増幅度のdB変換では20log10(電圧比)を用います。log10(4)は約0.602なので、20log10(4)は約12.04dBとなります。よって、12.04dB + 20dB + 40dB = 72.04dBが正しいです。選びやすい理由:電力増幅度2倍が約3dBであることから、電圧増幅度2倍が約6dB、電圧増幅度4倍が約12dBと理解していれば誤りませんが、20log10(4)を6dBと誤解する、あるいは電圧増幅度と電力増幅度の変換式の混同が原因でこの選択肢を選んでしまう可能性があります。混同注意:電圧増幅度(20log10)と電力増幅度(10log10)の変換式の混同、およびlog10(4)などの常用対数の近似値に関する知識の誤りです。
- 5. 正解。直列に接続された増幅器の総合電圧増幅度は、個々の増幅度の積で求められます。この場合、4倍 × 10倍 × 100倍 = 4000倍 となります。この総合増幅度をdBで表すには、G[dB] = 20 log10(G[倍率]) の式を用います。したがって、20 log10(4000) を計算します。log10(4000) = log10(4 × 10^3) = log10(4) + log10(10^3) ≈ 0.602 + 3 = 3.602。よって、20 × 3.602 = 72.04 dB となります。選択肢の中で最も近い値は72です。
国試ポイント
この問題は、増幅器の直列接続時の総合増幅度(倍率)の計算と、電圧増幅度をデシベル(dB)に変換する基本知識を問うものです。特に、電圧増幅度のdB変換には「20 log10(電圧比)」を用いること、および常用対数(log10)の計算が正確にできるかが重要です。
混同注意
電圧増幅度をdBで計算する際に「20 log10」ではなく「10 log10」(電力増幅度用)を使ってしまう間違いや、log10(4)などの常用対数の値を正確に把握していないために計算ミスをしてしまうことがあります。また、直列接続時に増幅度を単純に足し算してしまう誤解も考えられます。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まずは「電圧増幅度」か「電力増幅度」かを確認し、それに合わせて20log10か10log10かの式を正しく選択することが重要です。次に、増幅器が直列に接続されている場合は、個々の倍率を全て掛け合わせて総合倍率を算出するのを忘れないようにしましょう。最後に、常用対数の計算を正確に行うことが求められます。
関連知識
・デシベル(dB)の定義:電力比では10 log10(P2/P1)、電圧比では20 log10(V2/V1)と定義されます。抵抗が等しい場合、電力は電圧の2乗に比例するため、20log10(V2/V1) = 10log10((V2/V1)^2) = 10log10(P2/P1)となります。・常用対数の近似値:log10(2) ≈ 0.301、log10(3) ≈ 0.477、log10(4) ≈ 0.602、log10(5) ≈ 0.699 など。また、10倍は20dB、100倍は40dBなど、よく使われる倍率とdB値の関係を覚えておくと計算が速くなります。