ミクロショック対策を目的としているのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
ミクロショックは、心臓に直接電極などが挿入されている患者において、ごく微小な電流でも心室細動を引き起こす可能性がある感電現象である。これを防ぐためには、患者の周囲の電位差をなくす『等電位接地』や、心臓に直接触れる医療機器の装着部を高度に絶縁し、漏れ電流を極めて低く抑える『CF形装着部』の採用が不可欠である。これらの対策は、患者の心臓を流れる電流を直接的に低減または遮断することでミクロショックのリスクを低減する。
選択肢ごとの解説
- 1. 3Pプラグは、機器の筐体が漏電した際に、保護接地(アース)を通じて電流を安全に大地へ逃がし、主に人体へのマクロショックを防ぐことを目的としている。患者の心臓に直接通電される微小電流によるミクロショックに対する直接的な予防策ではない。正しくは:ミクロショック対策としては、患者に直接接触する部分の絶縁強化や等電位接地がより直接的である。選びやすい理由:接地は感電防止の基本的な手段であるため、広義の安全対策として誤って選択されやすい。混同注意:マクロショック(体表面から全身に流れる大きな電流による感電)対策と混同しやすい。
- 2. 正解。医療機器や周辺の金属部を全て共通の接地点に接続することで、患者の体内に電位差が生じることを防ぎ、微小電流が患者の心臓を通過するリスク(ミクロショック)を最小限に抑えることができる。
- 3. 無停電電源装置は、停電や電圧変動が発生した際に、接続された医療機器への電力供給を途切らせずに継続させるためのものである。機器の機能停止を防ぐことが目的であり、感電(ミクロショック)の直接的な予防策ではない。正しくは:感電防止ではなく、電力供給の安定化と機器の動作継続を目的としている。選びやすい理由:医療現場の安全性向上に貢献する機器であるため、感電防止策と誤解されることがある。混同注意:機器の安定稼働と患者安全確保の目的を混同しやすい。
- 4. 正解。CF形装着部(心臓直接適用型)は、患者に直接接続される装着部の中でも最も高いレベルの電気的保護を備えている。特に心臓に直接適用されることを想定しており、許容される漏れ電流が極めて低く設定されているため、ミクロショックからの保護に非常に有効である。
- 5. 非接地配線方式(ITシステム)は、主に手術室などで使用され、接地から絶縁された回路を形成する。これにより、一箇所で漏電が発生しても大地への大きな電流の流れを防ぎ、機器の動作継続とマクロショックの予防を目的としている。ミクロショックの直接的な予防策というよりは、マクロショック対策やシステムの信頼性向上を主眼としている。正しくは:ミクロショック対策としては、患者に直接接続される機器の絶縁強化(CF形など)や等電位接地がより直接的である。選びやすい理由:医療現場における特殊な安全対策として認識されているため、ミクロショック対策の一つと誤解されやすい。混同注意:マクロショック予防や機器の動作維持と、ミクロショックの直接的な予防を混同しやすい。
国試ポイント
医療現場における感電事故対策、特にミクロショックとマクロショックの違いを理解し、それぞれの予防に有効な具体的な対策を正確に区別できるかが問われている。個々の用語の意味と適用場面を把握しておく必要がある。
混同注意
マクロショック対策(例: 3Pプラグ、漏電遮断器)とミクロショック対策、また感電対策全般と機器の機能維持(例: UPS)とが混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各対策が『どの種類の感電(マクロショック/ミクロショック)に、どのようなメカニズムで有効か』、また『どの部位(機器本体、患者、電源系統)に対する対策か』を意識して判断する。
関連知識
医療用電気機器の装着部分類(B形、BF形、CF形)、絶縁トランス、漏れ電流の種類(接地漏れ電流、患者漏れ電流、患者測定電流)、医用電気機器の安全性に関するJIS規格(JIS T 0601-1)。