アンモニア銀を用いる染色法はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
渡辺の鍍銀法とMasson-Fontana染色は、いずれもアンモニア銀を主試薬として用いる代表的な組織染色法です。渡辺の鍍銀法は主に細網線維の染色に、Masson-Fontana染色はメラニンやカテコールアミン関連物質の染色に用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. PAM染色は、Periodic acid-Schiff (PAS) 反応と銀染色を組み合わせたもので、メセナミン銀を使用しますが、アンモニア銀は使用しません。腎糸球体基底膜や真菌の染色に用いられます。正しくは:PAM染色はメセナミン銀を用いる。選びやすい理由:銀染色の一種であるため、アンモニア銀を使用すると思われがち。混同注意:他の銀染色と混同しやすい。
- 2. Kossa反応は、組織中のカルシウム塩を検出する方法であり、硝酸銀水溶液を使用しますが、アンモニア銀は使用しません。カルシウム塩と銀イオンが反応して黒変する原理です。正しくは:Kossa反応は硝酸銀水溶液を用いる。選びやすい理由:銀を使用する点では共通しているため。混同注意:銀染色全般と混同しやすい。
- 3. 正解。渡辺の鍍銀法は、主にレチクリン線維(細網線維)の染色に用いられる方法で、アンモニア銀溶液を反応液として使用します。鍍銀反応によって線維が黒色に染まります。
- 4. Grimelius染色は、主に消化管の内分泌細胞(アルギロフィル細胞)の顆粒を検出する染色法で、硝酸銀と還元液を使用しますが、アンモニア銀は使用しません。正しくは:Grimelius染色は硝酸銀を用いる。選びやすい理由:内分泌細胞の染色に用いられる銀染色であるため。混同注意:Masson-Fontana染色などの他の内分泌細胞染色と混同しやすい。
- 5. 正解。Masson-Fontana染色は、メラニンやカテコールアミン関連物質を検出する染色法で、アンモニア銀溶液(Fontana-Masson液)を反応液として使用します。これらの物質が銀イオンを還元して黒色に染まります。
国試ポイント
銀染色の中でも、特にアンモニア銀を使用する具体的な染色法を問う問題です。各染色法の主要試薬とその用途を正確に覚えているかが問われます。類似の銀染色法との区別が重要です。
混同注意
PAM染色(メセナミン銀)、Kossa反応(硝酸銀水溶液)、Grimelius染色(硝酸銀)など、他の銀を使用する染色法との混同が起きやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各染色法が『何を』『どの銀試薬(例: 硝酸銀、アンモニア銀、メセナミン銀など)』で染めるのか、という点を中心に確認します。
関連知識
細網線維の染色には渡辺の鍍銀法の他にGomoriの鍍銀法などがあり、メラニン検出にはMasson-Fontana染色の他にDOPA反応などがあります。これらの選択肢以外の銀染色(例: Warthin-Starry染色、Dieterle染色など)についても、どのような成分を、どの銀試薬で染めるかを理解しておくことが望ましいです。