toluidine blue染色で異染性を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
トルイジンブルー染色では、硫酸基やカルボキシル基を多く持つ高分子化合物、特に酸性ムコ多糖(グリコサミノグリカン)が、色素分子を凝集させることで光の吸収スペクトルを変化させ、元の青色とは異なる赤紫色に染まる現象、すなわち異染性を示します。軟骨基質は、多量の硫酸コンドロイチンやケラタン硫酸などのグリコサミノグリカンを含んでいるため、トルイジンブルー染色で異染性を示す代表的な組織です。同様に、肥満細胞の顆粒(ヘパリン含有)なども異染性を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. 膠原線維はトルイジンブルーで異染性を示しません。主に好酸性を示し、H-E染色ではピンク色に染まります。正しくは:膠原線維はトルイジンブルーで異染性を示さない。選びやすい理由:結合組織の主要成分であるため、染色の対象となりやすいと考えるかもしれませんが、異染性の特性は持っていません。混同注意:他の結合組織成分(例:肥満細胞顆粒、軟骨基質)の異染性反応と混同する可能性があります。
- 2. 脂肪細胞はトルイジンブルーで異染性を示しません。脂肪滴は通常、疎水性色素(例:オイルレッドO、スーダンIII)で染められます。正しくは:脂肪細胞はトルイジンブルーで異染性を示さない。選びやすい理由:細胞構造の一部として考えるかもしれませんが、異染性は特定の化学的特性を持つ物質に限定されます。混同注意:特定の細胞成分の染色性と、トルイジンブルーによる異染性反応を混同する可能性があります。
- 3. 心筋線維はトルイジンブルーで異染性を示しません。主にヘマトキシリン・エオジン染色でヘマトキシリンに青紫色、エオジンに赤色に染まります。正しくは:心筋線維はトルイジンブルーで異染性を示さない。選びやすい理由:組織を構成する主要な要素であるため、一般的な染色反応の一つとして選択肢に含めてしまいがちです。混同注意:筋組織一般の染色性と、異染性反応を混同する可能性があります。
- 4. 神経線維はトルイジンブルーで異染性を示しません。神経細胞体やニッスル小体はトルイジンブルーで青紫色に染まりますが、異染性ではありません。正しくは:神経線維はトルイジンブルーで異染性を示さない。選びやすい理由:神経組織がトルイジンブルーで染まることを知っていると、異染性も示すと誤解する可能性があります。混同注意:神経細胞のニッスル小体(RNAが豊富で青紫色に染まる)の染色性と、異染性反応を混同する可能性があります。
- 5. 正解。軟骨基質には硫酸コンドロイチンなどの多糖類(グリコサミノグリカン)が豊富に含まれており、これらの酸性ムコ多糖はトルイジンブルー(塩基性色素)と結合することで、元の青色とは異なる赤紫色に染まる「異染性」を示します。
国試ポイント
トルイジンブルー染色における異染性のメカニズムと、それを示す代表的な組織・細胞成分を理解しているかを問う問題です。特に、特定の化学構造(酸性ムコ多糖)と染色特性の関連性が重要です。
混同注意
通常の塩基性色素による染まり方(例:ヘマトキシリンによる核の染色)と、異染性反応の違いを混同しやすい。また、トルイジンブルーで染まるが異染性を示さない組織(例:ニッスル小体)との区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、トルイジンブルーで異染性を示す他の組織や細胞成分(例:肥満細胞の顆粒)を問う問題や、異染性を示すメカニズム自体を問う問題が考えられます。また、パス(PAS)染色など他の多糖染色との比較も重要です。
関連知識
異染性を示す他の構造として、肥満細胞の顆粒(ヘパリン)、一部の腺細胞の粘液なども挙げられます。異染性は、酸性ムコ多糖が色素分子を密集させて会合体を形成することで、吸光度が短波長側にシフトするために生じます。