細胞内液において最も多い陽イオンはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
細胞内液において、最も多く存在する陽イオンはカリウムイオン(K+)です。これは、細胞膜に存在するNa+/K+-ATPaseによって、細胞外のナトリウムイオン(Na+)を細胞内から汲み出し、カリウムイオンを細胞外から細胞内に取り込む働きが常に行われているためです。このポンプの働きにより、細胞内外でK+とNa+の濃度勾配が維持され、細胞の浸透圧や膜電位の形成に不可欠な役割を果たしています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。細胞内液の主要な陽イオンはカリウムイオン(K+)であり、細胞の浸透圧維持や活動電位発生に重要な役割を果たします。
- 2. ナトリウムイオン(Na+)は細胞外液の主要な陽イオンです。細胞内にはNa+/K+-ATPaseによって低濃度に保たれています。正しくは:ナトリウムイオンは細胞外液に最も多い陽イオンです。選びやすい理由:ナトリウムイオンは体液の電解質として非常に重要であるため、細胞内にも多いと勘違いしやすいかもしれません。しかし、その役割は主に細胞外液にあります。混同注意:カリウムイオンとナトリウムイオンの細胞内外の濃度差やそれぞれの役割が混同されやすいです。
- 3. カルシウムイオン(Ca2+)は、細胞内シグナル伝達や骨形成に重要な役割を持ちますが、細胞内では厳密に濃度が調節され、細胞内液に最も多い陽イオンではありません。正しくは:カルシウムイオンは細胞内シグナル伝達に重要ですが、その濃度は細胞内では低く保たれています。選びやすい理由:カルシウムは生体にとって重要なミネラルであるため、細胞内に多く存在すると誤解されやすいです。混同注意:細胞外液中のカルシウム濃度と細胞内液中のカルシウム濃度の違い、および細胞内での役割が混同されやすいです。
- 4. マグネシウムイオン(Mg2+)は、細胞内で酵素反応の補因子として重要ですが、細胞内液に最も多く存在する陽イオンはカリウムイオンです。正しくは:マグネシウムイオンは細胞内で様々な酵素反応の補因子として機能しますが、主要な陽イオンではありません。選びやすい理由:マグネシウムも細胞機能に不可欠なイオンであるため、多いと考えるかもしれませんが、量的にはカリウムには及びません。混同注意:カリウムイオンの多さと、他の多価陽イオンの生理的役割が混同されやすいです。
- 5. 亜鉛イオン(Zn2+)は、多くの酵素の構成要素であり、遺伝子発現の調節などに関与しますが、細胞内液の主要な陽イオンではありません。正しくは:亜鉛イオンは微量元素であり、細胞機能に重要ですが、その量は細胞内液の主要な陽イオンとしては少ないです。選びやすい理由:亜鉛が様々な酵素やタンパク質に必須であるため、比較的多いと誤解しやすいですが、量的な主役ではありません。混同注意:微量元素の重要性と、主要な電解質の存在量の区別が混同されやすいです。
国試ポイント
本問題は、細胞内液と細胞外液における主要な電解質の濃度分布に関する基礎知識を問うものです。特に、カリウムイオンが細胞内液の主たる陽イオンであること、およびナトリウムイオンが細胞外液の主たる陽イオンであることを理解しているかが重要です。
混同注意
ナトリウムイオン(Na+)とカリウムイオン(K+)の細胞内外の濃度差とその生理学的役割が最も混同されやすいポイントです。Na+は細胞外液、K+は細胞内液で高濃度であることをしっかり区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、細胞内外の主要な陰イオン(例:細胞内液のリン酸イオン、細胞外液の塩化物イオン)や、これらのイオンが関与する疾患(例:高カリウム血症、低ナトリウム血症)についても問われる可能性があるため、関連知識を確認することが重要です。
関連知識
Na+/K+-ATPaseの機能、膜電位の発生メカニズム、細胞の浸透圧調節、および他の電解質(Ca2+, Mg2+, Cl-など)の細胞内外分布と生理的役割について。