ADH不適合分泌症候群~SIADHについて誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
SIADHでは抗利尿ホルモン(ADH)の過剰分泌により、腎臓からの水再吸収が促進され、体内の水分量が増加します。これにより循環血液量が増え、希釈性の低ナトリウム血症を引き起こし、脱水ではなくむしろ体液量増加(浮腫傾向)を呈します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。SIADHは抗利尿ホルモン(ADH)の過剰分泌により体内に水が貯留し、希釈性低ナトリウム血症を呈します。脱水とは逆に、体液量が増加した状態(過剰水分貯留)となります。選びやすい理由:低ナトリウム血症と聞くと、脱水による電解質濃縮を想起しやすいため。混同注意:脱水による低ナトリウム血症(ADHはむしろ代償的に増加するが、病態は異なる)。
- 2. SIADHではADHが過剰に分泌されるため、腎臓での水の再吸収が促進され、尿が濃縮されます。したがって尿浸透圧は高くなります。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:尿量が多いと勘違いしたり、低ナトリウム血症の病態と結びつけにくい場合があるため。混同注意:尿崩症(尿浸透圧が低い)と混同しやすい。
- 3. SIADHによる重度の希釈性低ナトリウム血症は、脳浮腫を引き起こし、頭痛、悪心、嘔吐、意識障害(傾眠、昏睡など)を生じることがあります。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:低ナトリウム血症の症状として意識障害がすぐには想起されない場合があるため。混同注意:他の原因による意識障害。低ナトリウム血症の症状の重症度。
- 4. SIADHはADHの過剰分泌により水が体内に過剰に貯留し、血液中のナトリウムが希釈されるため、希釈性低ナトリウム血症を特徴とします。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:ナトリウム濃度が低いことを直接的に症状として捉えにくいため。混同注意:ナトリウム欠乏性低ナトリウム血症(体液量減少を伴う)。
- 5. 肺小細胞癌は、異所性ADH産生腫瘍の代表的なものであり、SIADHの最も一般的な原因の一つです。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:原因疾患まで覚えている人が少ない場合があるため。混同注意:他の異所性ホルモン産生腫瘍。
国試ポイント
SIADHの病態生理、特にADH過剰による水貯留と希釈性低ナトリウム血症、そしてその結果として脱水とは逆の状態になることを理解する。
混同注意
SIADHは抗利尿ホルモンの過剰分泌によるものであり、尿崩症(抗利尿ホルモンの分泌不足または作用不全)とは真逆の病態である。
次に同じ論点が出たら
低ナトリウム血症を伴う病態において、尿浸透圧や体液量所見(脱水か浮腫か)を確認し、ADHの過剰または不足が関与しているかを判断する。
関連知識
SIADHの診断基準、治療(水分制限、高張食塩水投与、ADH受容体拮抗薬など)、鑑別診断(心不全、肝硬変、腎不全などによる希釈性低ナトリウム血症)。