細胞学的検査法の特徴で誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
細胞学的検査は、個々の細胞の形態から悪性か良性か、また腫瘍のおおよその組織型を推測するのに有用ですが、腫瘍の浸潤範囲や周囲組織との関係、リンパ節転移の有無など、病期診断に不可欠な情報は得られません。病期(ステージ)の確定には、組織診や画像診断などの総合的な評価が必須です。
選択肢ごとの解説
- 1. 細胞診は針生検や外科的生検に比べて侵襲性が低く、患者負担が少ない点が特徴です。正しくは:患者への負担が小さい。選びやすい理由:細胞診の大きな利点であるため、正しい記述と認識されやすい。混同注意:組織診(生検)と混同しない。
- 2. 細胞診の検体は、擦過、穿刺、洗浄など、比較的簡便な方法で採取できることが多いです。正しくは:検体の採取が比較的簡単である。選びやすい理由:細胞診の利点の一つであり、正しい記述と認識されやすい。混同注意:組織診(生検)と混同しない。
- 3. 尿、胸水、腹水、髄液、痰など、様々な液状検体から細胞を採取し検査することができます。正しくは:液体状の検体も検査可能である。選びやすい理由:細胞診で液体検体が広く用いられるため、正しい記述と認識されやすい。混同注意:固体組織検体のみの検査法と混同しない。
- 4. 正解。細胞診は個々の細胞の形態を評価する検査であり、腫瘍の浸潤度や周囲組織への広がりといった病期診断に必要な情報を正確に提供することはできません。病期確定には、組織診(生検)や画像診断による詳細な評価が必要です。正しくは:腫瘍の進行度(病期)を確定することは難しい。選びやすい理由:細胞診で腫瘍の悪性度が推測されるため、病期も診断できると誤解しやすい。混同注意:組織診による病期診断と混同しやすい。
- 5. 細胞の形態的特徴から、扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌など、腫瘍のおおよその組織型を推測することは可能です。ただし、確定診断には組織診が必要です。正しくは:腫瘍の組織型をある程度推測できる。選びやすい理由:細胞診の主要な役割の一つであり、正しい記述と認識されやすい。混同注意:病期診断と組織型診断を混同しない。また、細胞診での「推測」と組織診での「確定」の違いを理解する。
国試ポイント
細胞学的検査の限界と得意分野を正確に理解しているかを問う問題です。特に、病期診断と組織型診断の違い、および細胞診と組織診の役割の違いがポイントとなります。
混同注意
細胞診による「組織型の類推」と「病期の確定」を混同しやすい。細胞診では組織の構築が分からないため、浸潤の有無や広がりを評価することはできず、病期診断はできません。組織型もあくまで「類推」であり、「確定」ではありません。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、細胞診と組織診それぞれの検査の対象、特徴(侵襲性、簡便性)、得られる情報(病期、組織型確定、浸潤の有無)、および限界(偽陰性、偽陽性)を問う問題が予想されます。両者の違いを明確に理解しているかを確認しましょう。
関連知識
組織学的検査(組織診)は、組織の構築を保ったまま診断するため、浸潤の有無、深達度、断端評価、組織型確定、そして病期診断に非常に重要な情報を提供します。細胞診と組織診は、それぞれ異なる目的と限界を持つ補完的な検査法です。細胞診のメリット:低侵襲、簡便、迅速。デメリット:病期診断不可、組織型確定困難、偽陰性・偽陽性リスク。組織診のメリット:病期診断可能、組織型確定可能、浸潤・広がり評価可能。デメリット:高侵襲、時間がかかる。