免疫組織化学染色の検査対象となるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
免疫組織化学染色は、組織や細胞中の特定の抗原(多くの場合、蛋白質)を、それに特異的に結合する抗体を用いて検出する技術です。この手法は抗原抗体反応の特異性を利用しており、標的とする蛋白質の存在部位や量を視覚化することが可能です。したがって、主な検査対象は蛋白質となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 免疫組織化学染色では、DNAそのものを直接検出するわけではありません。DNAの検出には、主にin situハイブリダイゼーション(FISHなど)が用いられます。正しくは:DNAの検出にはin situハイブリダイゼーションが用いられます。選びやすい理由:核酸であるDNAも生体内の重要な分子であり、染色対象になりそうだと誤解するかもしれません。混同注意:蛍光in situハイブリダイゼーション (FISH) や、ヘマトキシリン染色のようなDNA結合色素による染色と混同する可能性があります。
- 2. 免疫組織化学染色では、RNAそのものを直接検出するわけではありません。RNAの検出には、in situハイブリダイゼーションが用いられます。正しくは:RNAの検出にはin situハイブリダイゼーションが用いられます。選びやすい理由:DNAと同様に核酸であり、細胞内の重要な成分であるため、免疫組織化学染色でも検出できると考えるかもしれません。混同注意:in situハイブリダイゼーションと混同する可能性があります。
- 3. 重金属の検出には、プルシアンブルー反応(鉄)、フォン・コッサ反応(カルシウム)、ロダニン反応(銅)などの特殊染色法が用いられ、免疫組織化学染色とは原理が異なります。正しくは:重金属の検出には特殊染色法が用いられます。選びやすい理由:組織に沈着する物質として、一部の特殊染色と混同するかもしれません。混同注意:免疫組織化学染色とは全く異なる、化学反応を利用した特殊染色と混同する可能性があります。
- 4. 正解。免疫組織化学染色とは、抗原抗体反応を利用して、組織や細胞内の特定の抗原(多くの場合、蛋白質)を特異的に検出・可視化する手法です。抗体が標的となる蛋白質に結合し、その結合を酵素反応や蛍光などで発色させて検出します。
- 5. 酵素活性を検出するのは、免疫組織化学染色ではなく、酵素組織化学染色(ヒストケミストリー)と呼ばれる別の手法です。免疫組織化学染色では、酵素そのもの(蛋白質)を抗原として検出することはできますが、その酵素が持つ活性を直接検出するわけではありません。正しくは:酵素活性の検出には酵素組織化学染色が用いられます。選びやすい理由:免疫組織化学染色で酵素標識抗体が使われるため、酵素活性も検出できると誤解するかもしれません。または、「酵素」という言葉から関連付けてしまう可能性もあります。混同注意:酵素標識抗体を使用する免疫組織化学染色と、酵素活性そのものを検出する酵素組織化学染色を混同する可能性があります。
国試ポイント
免疫組織化学染色の基本原理、特に「抗原抗体反応」を利用して「何を対象とするか」を理解しているかを問う問題です。他の組織化学的手法(in situハイブリダイゼーション、特殊染色、酵素組織化学染色)との区別が重要になります。
混同注意
in situハイブリダイゼーション(核酸検出)、酵素組織化学染色(酵素活性検出)、特殊染色(特定の化学成分検出)など、他の組織化学的手法と混同しやすいです。また、免疫組織化学染色で酵素標識抗体を用いることから、「酵素活性」も検出対象と誤解する可能性があります。
次に同じ論点が出たら
免疫組織化学染色が「抗原抗体反応」を利用している点を再確認し、抗原となりうる生体分子(特に蛋白質)を正しく認識すること。また、他の組織化学的検査法(酵素組織化学、FISHなど)の原理と検出対象を明確に区別できるかを確認すること。
関連知識
免疫組織化学染色の検出原理(一次抗体、二次抗体、酵素標識/蛍光標識)とその方法(直接法、間接法、ABC法、ポリマー法など)。代表的な検出対象となる細胞マーカー、腫瘍マーカー、ホルモン受容体など。他の組織化学的手法とその対象(例: in situハイブリダイゼーション→核酸、パス染色→多糖類、アルシアンブルー→酸性ムコ多糖、プルシアンブルー→鉄など)。