グルコースオキシダーゼ法による血糖測定で利用する酵素はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
グルコースオキシダーゼはβ-D-グルコースに対して特異的に作用します。しかし、溶液中のグルコースはα-D-グルコースとβ-D-グルコースの平衡混合物として存在します。ムタロターゼ(アルドース1-エピメラーゼ)は、このα型とβ型間の変旋光(mutarotation)を促進し、β-D-グルコースの枯渇とともにα型がβ型に速やかに変換されるようにすることで、測定対象となる全てのグルコースをグルコースオキシダーゼの作用対象とします。これにより、測定反応速度が向上し、より短時間で正確な測定が可能になります。
選択肢ごとの解説
- 1. 澱粉などの多糖を分解する酵素であり、グルコースオキシダーゼ法における血糖測定とは直接関係がありません。正しくは:血糖測定には関与しない。選びやすい理由:消化酵素として有名であるため、生体内の糖代謝に関わる酵素と混同するかもしれない。混同注意:消化管での糖質分解酵素。
- 2. オリゴ糖や二糖を単糖に分解する酵素であり、グルコースオキシダーゼ法における血糖測定には直接使用されません。正しくは:血糖測定には関与しない。選びやすい理由:糖質分解酵素の一つであるため、グルコース関連酵素と誤解するかもしれない。混同注意:消化管での二糖類分解酵素、あるいは糖尿病治療薬のターゲット酵素。
- 3. グルコース-6-リン酸のリン酸を加水分解する酵素で、糖新生やグリコーゲン分解に関与しますが、グルコースオキシダーゼ法での血糖測定には用いられません。正しくは:血糖測定には関与しない。選びやすい理由:グルコースの名前が含まれているため、直接的な関連を想像するかもしれない。混同注意:糖代謝の中心的な酵素の一つ。
- 4. マルトースを2分子のグルコースに分解する二糖分解酵素であり、グルコースオキシダーゼ法における血糖測定には直接使用されません。正しくは:血糖測定には関与しない。選びやすい理由:グルコースを生成する酵素であるため、関連があるように見えるかもしれない。混同注意:消化管での二糖類分解酵素。
- 5. 正解。グルコースオキシダーゼは主にβ-D-グルコースに作用しますが、血液中のグルコースにはα型とβ型が存在し、平衡状態にあります。ムタロターゼはα-D-グルコースからβ-D-グルコースへの異性化を促進し、測定系内の全グルコースがグルコースオキシダーゼの基質となるようにします。これにより、より正確な測定が可能になります。
国試ポイント
グルコースオキシダーゼ法におけるムタロターゼの役割(特にグルコースの異性化促進と測定精度の向上)を理解しているかが問われる。単にグルコースオキシダーゼ法に使われる酵素群を暗記するだけでなく、それぞれの酵素の具体的な役割を把握しておくことが重要。
混同注意
血糖測定法にはヘキソキナーゼ法など他の方法もあり、それに用いられる酵素(ヘキソキナーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ)と混同しやすい。また、糖代謝に関わる様々な酵素(アミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼなど)と、グルコースオキシダーゼ法の補助酵素を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題される場合は、他の血糖測定法(ヘキソキナーゼ法など)で使用される酵素とその役割、またはグルコースオキシダーゼ法の詳細な反応原理(発色試薬など)について問われる可能性がある。
関連知識
グルコースオキシダーゼ法の反応原理(グルコース + O2 → グルコン酸 + H2O2)、生成したH2O2の定量法(ペルオキシダーゼと色素原による発色反応)、ヘキソキナーゼ法の原理(グルコース + ATP → グルコース-6-リン酸 + ADP、NAD+ + グルコース-6-リン酸 → NADH + H+ + 6-ホスホグルコノラクトン)など。グルコースのα型、β型の構造と変旋光の概念。