昭和25年(1950年)から平成26年(2014年)までの65年間の我が国の人口動態統計で、粗死亡率でみた死因の第1位となった年次の回数が最も多いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
日本の人口動態統計において、悪性新生物は1981年以降、一貫して死因の第1位を占めています。選択肢で示された1950年から2014年までの65年間の期間で、脳血管疾患が1950年代から1970年代にかけて第1位でしたが、悪性新生物が1位になってからの期間の方が長いため、この期間全体で最も多く第1位となったのは悪性新生物です。結核は戦後すぐは上位でしたが、すぐに順位を下げました。心疾患や肺炎は、近年は上位にありますが、この期間全体で悪性新生物ほど長く1位を占めたことはありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。日本では1981年以降、悪性新生物(がん)が主要な死因として首位を維持しており、この期間(1950年~2014年)の集計では、最も多くの年次で粗死亡率の死因第1位となっています。
- 2. 心疾患は現在の主要な死因の一つであり、悪性新生物に次いで高い順位ですが、1950年から2014年までの期間で、悪性新生物ほど多くの年次で第1位になった記録はありません。正しくは:心疾患は現在、悪性新生物に次ぐ死因の第2位ですが、この期間で1位になった回数は悪性新生物よりも少ないです。選びやすい理由:現代の主要な死因であるため、過去のデータでも1位の回数が多いと誤解しやすいかもしれません。混同注意:悪性新生物、脳血管疾患
- 3. 結核は戦後間もない時期には主要な死因でしたが、医療の進歩により急速に減少しました。この65年間の大半では1位ではありません。正しくは:結核は1950年代初頭には主要な死因の一つでしたが、その後は順位を大幅に下げており、この期間全体で最も多く1位になったことはありません。選びやすい理由:古い時代の死因として認識されているため、初期の年次では1位だったことを覚えていて、全体での回数も多いと誤解する可能性があります。混同注意:肺炎、脳血管疾患など、過去に主要だった他の感染症や疾患
- 4. 脳血管疾患はかつて主要な死因でしたが、生活習慣の改善や医療の進歩により死亡率は低下し、1980年代初頭に悪性新生物にその地位を譲りました。したがって、この期間で最も多く1位になったことはありません。正しくは:脳血管疾患は1950年代から1970年代にかけて主要な死因の1位でしたが、1981年に悪性新生物に抜かれ、その後は順位を下げたため、全体で最も多く1位になったわけではありません。選びやすい理由:過去に長らく死因の1位であったという知識があるため、全体を通して最も多いと誤解しやすいです。混同注意:悪性新生物
- 5. 肺炎は高齢化社会において近年再び死亡率が高まっていますが、この期間全体で最も多く1位となったことはありません。特にこの期間の中頃には、他の死因が上位を占めていました。正しくは:肺炎は近年死因の順位が上昇傾向にありますが、1950年から2014年の全期間において、最も多くの年次で1位を占めたことはありません。選びやすい理由:高齢者の死因として現代でも重要であるため、過去のデータでも上位に来ると考えがちです。混同注意:全結核、心疾患など
国試ポイント
日本の主要な死因の経年変化と、特定の期間における死因の首位を最も多く占めた疾患を正確に理解しているかを問う問題です。特に、悪性新生物が長期にわたり1位を維持している事実と、それ以前の主要死因(脳血管疾患、結核など)との比較が重要です。
混同注意
脳血管疾患が過去に長期にわたり1位であったため、この選択肢を選びやすいが、悪性新生物が1981年以降長期間1位を占めていることを考慮すると、期間全体で最も回数が多いのは悪性新生物となる。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、最新の死因順位に加え、過去の主要な死因の変遷(特に1950年代~現在までの大きな転換点)を理解しているかを確認すると良いでしょう。また、特定の期間が指定された際に、その期間内の各死因の『1位を占めた期間の長さ』を比較する視点も重要です。
関連知識
日本の人口動態統計、死因順位の変遷、悪性新生物の死亡率、高齢化社会と死因の変化、結核の歴史的推移。