ヒトを中間宿主とするのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
マラリア原虫は蚊(ハマダラカ)の吸血時にヒトの体内に入り、肝細胞内で増殖し、さらに赤血球内で無性生殖を繰り返します。この増殖サイクルの途中で、ヒトはマラリア原虫の無性生殖が行われる中間宿主として機能します。
選択肢ごとの解説
- 1. 蟯虫はヒトのみを終宿主とし、直接経口感染または自己再感染するため、中間宿主は存在しません。正しくは:蟯虫症に中間宿主は存在しない。選びやすい理由:一般的な寄生虫であり、生活環を詳細に知らないと判断に迷う可能性があるため。混同注意:他の線虫類(回虫など)で中間宿主が存在するもの(例: 糞線虫の自由生活期は環境中で発育するが、中間宿主とは異なる)。
- 2. 正解。マラリア原虫は、ヒトの体内で無性生殖を行い、赤血球内で増殖します。このため、ヒトはマラリア原虫の中間宿主となります。ハマダラカは有性生殖を行うため終宿主です。選びやすい理由:蚊が媒介することから、蚊が中間宿主と誤解されやすいですが、蚊は有性生殖を行うため終宿主です。混同注意:ハマダラカ(終宿主)とヒト(中間宿主)の役割。
- 3. 横川吸虫の第1中間宿主は巻貝、第2中間宿主はアユなどの淡水魚です。ヒトはこれらの生食によって感染し、成虫が小腸に寄生するため終宿主となります。正しくは:横川吸虫症においてヒトは終宿主である。中間宿主は巻貝と淡水魚である。選びやすい理由:淡水魚の生食で感染するため、魚が終宿主と誤解されやすいが、魚は中間宿主であるため。混同注意:肝吸虫(第1中間宿主は巻貝、第2中間宿主はコイ科淡水魚)など他の吸虫類の生活環。
- 4. 日本海裂頭条虫の第1中間宿主はケンミジンコ、第2中間宿主はサケ・マス類などの淡水魚や海水魚です。ヒトはこれらの生食によって感染し、成虫が小腸に寄生するため終宿主となります。正しくは:日本海裂頭条虫症においてヒトは終宿主である。中間宿主はケンミジンコと魚類である。選びやすい理由:魚介類の生食による感染であるため、魚が終宿主と誤解されやすいが、魚は中間宿主であるため。混同注意:広節裂頭条虫(第2中間宿主がサケ・マス類)と日本海裂頭条虫の区別。
- 5. Manson裂頭条虫(マンソン孤虫症の原因)の第1中間宿主はケンミジンコ、第2中間宿主はカエルやヘビなどです。ヒトはこれらの感染幼虫(プレロセルコイド)を摂取したり、皮膚に直接接触することで幼虫が寄生するため、ヒトは偶発宿主または第2中間宿主となり得ます。しかし、選択肢の意図としては、成虫が寄生する終宿主ではない点から誤りと判断されます。正しくは:Manson裂頭条虫症においてヒトは終宿主ではない。通常は偶発宿主または第2中間宿主として幼虫が寄生する(マンソン孤虫症)。選びやすい理由:ヒトに幼虫が寄生するという点で中間宿主と判断しそうになるが、成虫にはならないため通常の意味での中間宿主(生活環の一部を構成)とは異なる場合がある。混同注意:他の裂頭条虫類(日本海裂頭条虫、広節裂頭条虫)の生活環と、ヒトが終宿主か中間宿主か偶発宿主かという区別。
国試ポイント
寄生虫症の生活環における宿主(終宿主、中間宿主)の区別は、国試で頻出の重要ポイントです。
混同注意
終宿主は成虫が寄生して有性生殖を行う宿主であり、中間宿主は幼虫が寄生して無性生殖または発育を行う宿主です。混同しやすいので、それぞれの寄生虫について明確に区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
寄生虫症の問題で宿主の種類を問われたら、その寄生虫の生活環全体を思い出し、どの段階でどの宿主が関与するかを正確に判断します。特に無性生殖を行うのが中間宿主である点を押さえます。
関連知識
吸血昆虫が媒介する疾患(デング熱、日本脳炎など)と、その病原体の生活環における宿主の関係をまとめて覚えると効率的です。