検査と用いられる検査法の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
間接蛍光抗体法(FTA-ABS法など)は、梅毒トレポネーマに対する抗体を検出する、特異性の高い梅毒の確認検査法の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 二重免疫拡散法は免疫グロブリンの有無や質的な判定には用いられますが、定量検査としては精度が低く、一般的には用いられません。定量には免疫比濁法や免疫比ろう法、ELISAなどが適しています。正しくは:IgGの定量検査には、免疫比濁法や免疫比ろう法、ELISAなどが使われる。選びやすい理由:二重免疫拡散法は免疫グロブリンの検出に用いられるため、なんとなく正しいように見えるかもしれません。混同注意:免疫拡散法は免疫グロブリンを扱う検査法であるため、定量にも使えると誤解する可能性があります。
- 2. 正解。間接蛍光抗体法(FTA-ABS法など)は、梅毒トレポネーマに対する抗体を検出するために広く用いられる特異性の高い検査法です。特に確認検査として重要です。
- 3. HCV抗体検査では、ELISA(酵素免疫測定法)や化学発光免疫測定法が主に用いられます。逆受身凝集反応は、B型肝炎ウイルス(HBs抗原など)の検出には利用されることがありますが、HCV抗体検査には一般的ではありません。正しくは:HCV抗体検査には、ELISA(酵素免疫測定法)や化学発光免疫測定法が適用される。選びやすい理由:凝集反応という言葉自体は免疫検査でよく聞かれるため、HCV抗体にも使えると誤解しやすいかもしれません。混同注意:HBV抗原検査で逆受身凝集反応が用いられることと混同しやすいです。
- 4. CD4やCD8陽性細胞の計測には、フローサイトメトリーが標準的な検査法です。化学発光免疫測定法は、主に血中の特定のタンパク質やホルモンなどの定量に用いられますが、細胞表面マーカーの計測には適していません。正しくは:CD4/CD8比率の検査には、フローサイトメトリーが用いられる。選びやすい理由:化学発光免疫測定法は汎用性の高い検査法であるため、様々な項目に用いられるという知識から誤って選んでしまうかもしれません。混同注意:免疫測定法全般と、フローサイトメトリーによる細胞計測の区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 5. インターフェロン-γ遊離試験(IGRA)は、結核菌特異抗原刺激後のインターフェロン-γ産生量をELISA法などで測定します。毒素中和反応は、細菌が産生する毒素に対する抗体の有無を調べるために使われる反応であり、IGRAとは原理が全く異なります。正しくは:インターフェロン-γ遊離試験(IGRA)には、ELISA法などが用いられる。選びやすい理由:「反応」という言葉が含まれるため、なんらかの免疫反応と関連があると連想してしまうかもしれません。混同注意:IGRAの原理と、毒素中和反応の原理が混同されやすいです。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な感染症の検査法や、免疫学的検査法の原理と適用について、正しい組み合わせを選択させる問題が頻出します。特に、特定の検査項目に対してどの検査法が『一般的』または『標準的』であるかを問う傾向があります。それぞれの検査法の原理と、どのような対象(抗原、抗体、細胞など)の、どのような情報(定量、定性、細胞数など)を得るのに適しているかを理解しておくことが重要です。
混同注意
各免疫学的検査法(ELISA、凝集反応、蛍光抗体法、フローサイトメトリーなど)の原理と、それぞれの適用疾患・検査項目が混同しやすいです。特に、定量と定性の違い、細胞を対象とするか液性成分を対象とするかの違いは重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた場合、各検査法が以下のどの情報を得るのに適しているかを確認します。1. 定量か定性か。2. 抗原か抗体か。3. 細胞か液性成分か。4. どのような原理(凝集、酵素反応、蛍光など)に基づくか。
関連知識
梅毒の検査には、脂質抗原を用いたスクリーニング検査(RPR、STSなど)と、梅毒トレポネーマ抗原を用いた特異的検査(TPHA、FTA-ABSなど)があり、それぞれで異なる検査法が用いられます。この問題は、梅毒の特異的検査法の一つであるFTA-ABS法(間接蛍光抗体法)の知識を問うものです。また、IgG定量、HCV抗体、CD4/CD8、インターフェロン-γ遊離試験についても、それぞれの標準的な検査法を理解しておく必要があります。