偶発誤差の要因はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
偶発誤差は、測定のたびに不規則に変動し、その原因が特定しにくい誤差です。比色時の気泡混入やピペット操作の不正確さは、予測不可能でランダムな測定値の変動を引き起こすため、偶発誤差の代表的な要因となります。これに対し、分析装置の変更、試薬ロットの変更、標準液の調製ミスなどは、測定システム全体に一貫した影響を与え、測定値に一定の偏りを生じさせる系統誤差の要因です。
選択肢ごとの解説
- 1. 分析機器の変更は、測定システム全体に影響を与え、系統誤差を引き起こす可能性があります。新しい機器は異なる原理や精度を持つため、測定値に一貫した偏りが生じることが予想されます。正しくは:これは系統誤差の要因です。選びやすい理由:誤差という言葉から広義には関連するが、その性質が異なるため誤りです。混同注意:偶発誤差と系統誤差の区別。
- 2. 試薬のロットが変更されると、試薬の組成や品質にわずかな差が生じ、それが原因で測定値に一定の偏りが生じる可能性があります。これも系統誤差の一種と見なされます。正しくは:これは系統誤差の要因です。選びやすい理由:日常的な変動と捉えやすいかもしれませんが、ロット全体に影響するため系統的です。混同注意:偶発誤差と系統誤差の区別。
- 3. 正解。比色測定中に検体内に気泡が混入すると、光の透過が阻害され、吸光度が不規則に変動します。この現象は予測不能で、測定ごとに異なる影響を与えるため、偶発誤差の典型的な例です。
- 4. 標準液の調製に誤りがあると、その標準液を用いて作成される検量線全体が不正確になり、全ての測定結果に一定の偏りが生じます。これは系統誤差の要因です。正しくは:これは系統誤差の要因です。選びやすい理由:ミスという言葉から偶発的と捉えがちですが、その影響は全測定に及ぶため系統的です。混同注意:偶発誤差と系統誤差の区別。
- 5. 正解。ピペット操作の不正確さは、分注量にランダムな変動をもたらします。これにより、同じ検体を繰り返し測定しても、その都度異なる誤差が生じる可能性があります。これは予測できない変動であるため、偶発誤差に該当します。
国試ポイント
臨床検査における誤差の種類(偶発誤差と系統誤差)とその具体的な要因を正確に区別できるかが問われています。特に、誤操作や環境要因によるランダムな変動が偶発誤差であること、測定系や試薬の変更などによる一定の偏りが系統誤差であることを理解することが重要です。
混同注意
偶発誤差と系統誤差の区別が最も混同しやすい点です。偶発誤差は「ランダム、予測不能、測定ごとに異なる」、系統誤差は「一方向、予測可能、測定全体に影響」という特性で区別します。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、まず各選択肢が「測定のたびに変動するか(偶発誤差)」、それとも「測定系全体に一定の偏りをもたらすか(系統誤差)」を見極めます。特に、人為的なミスでもその影響がランダムか一貫しているかで判断が分かれます。
関連知識
精度管理の基本、検量線の作成、標準液の役割、測定方法による誤差の種類(例:容量測定、吸光度測定における誤差)。