末梢血のMay-Giemsa染色標本(別冊No. 12)を別に示す。最も考えられるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Bernard-Soulier症候群は、血小板膜上のGPIb-IX-V複合体の先天性欠損または機能不全によって引き起こされる遺伝性疾患です。この複合体はフォン・ヴィレブランド因子(vWF)の受容体として機能し、血小板が血管損傷部位に接着する(一次止血)上で重要な役割を果たします。臨床的には、出血傾向、血小板減少症、そしてMay-Giemsa染色標本で確認できる「巨大血小板」が特徴的な所見です。Wiskott-Aldrich症候群でも血小板減少が見られますが、こちらは「小型血小板」を特徴とします。画像を正確に読み取ることが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 血小板無力症では、血小板の形態に異常は見られませんが、GPIIb/IIIaの機能不全により血小板凝集能が低下します。本画像のような巨大血小板は特徴ではありません。正しくは:この症候群では血小板の形態は正常ですが、機能異常があります。選びやすい理由:出血傾向を伴う疾患であるため、血小板異常症の一つとして混同しやすいかもしれません。混同注意:他の血小板機能異常症と混同しやすいです。
- 2. von Willebrand病はvon Willebrand因子の量または機能の異常によるもので、血小板数や形態には通常異常は見られません。本画像のような巨大血小板は特徴ではありません。正しくは:von Willebrand病では血小板の数や形態は通常正常です。選びやすい理由:出血傾向を伴う遺伝性疾患であるため、血小板異常症の一つとして混同しやすいかもしれません。混同注意:血友病や他の凝固異常症と混同しやすいです。
- 3. 正解。Bernard-Soulier症候群は、血小板膜上のGPIb-IX-V複合体の欠損または機能異常によって引き起こされます。この複合体はvon Willebrand因子受容体であり、一次止血において血小板が血管内皮下のコラーゲンに接着するために不可欠です。この症候群の最も特徴的な所見は、下に示す画像にも見られるように、『巨大血小板』と『血小板減少』を伴うことです。選びやすい理由:他の血小板疾患と症状が似ているため、形態的特徴を見落とすと誤答につながる可能性があります。混同注意:血小板無力症など、他の遺伝性血小板機能異常症と混同しやすいですが、形態異常の有無で区別します。
- 4. Wiskott-Aldrich症候群は免疫不全、湿疹、血小板減少を特徴としますが、血小板の形態は『小型』であることが特徴です。本画像で認められる『巨大血小板』とは異なります。正しくは:Wiskott-Aldrich症候群では『小型』血小板が特徴です。選びやすい理由:血小板減少を伴うため、混同しやすいかもしれません。混同注意:Bernard-Soulier症候群と混同しやすいですが、血小板の大きさが対照的です(巨大 vs 小型)。
- 5. Schönlein-Henoch紫斑病はアレルギー性紫斑病とも呼ばれ、IgA血管炎を特徴とする全身性の疾患です。血小板数や形態には通常異常は見られません。本画像のような巨大血小板は特徴ではありません。正しくは:Schönlein-Henoch紫斑病は血管炎であり、血小板自体に異常はありません。選びやすい理由:紫斑を呈するため、出血傾向を伴う疾患として混同しやすいかもしれません。混同注意:ITP(特発性血小板減少性紫斑病)など、他の紫斑を呈する疾患と混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、末梢血塗抹標本の形態学的所見から特定の疾患を診断する能力を問うものです。特に、血小板の形態異常(大きさ、数)と関連疾患の知識が問われています。Bernard-Soulier症候群の特徴である「巨大血小板」は、Wiskott-Aldrich症候群の「小型血小板」と対比させてよく出題されます。
混同注意
Bernard-Soulier症候群とWiskott-Aldrich症候群は、ともに血小板減少を伴う遺伝性疾患ですが、血小板の大きさがそれぞれ巨大血小板と小型血小板と対照的であるため、鑑別が重要です。血小板無力症は血小板の形態は正常で、機能異常が主です。
次に同じ論点が出たら
同様の画像問題が出題された場合、まず血小板の形態(特に大きさ)と数を注意深く確認します。次に、他の血球成分(赤血球、白血球)に異常がないかも確認し、それらの所見を総合して診断を導きます。特に、血小板の異常を伴う疾患の鑑別点として、血小板の大きさは重要な手がかりとなります。
関連知識
血小板機能異常症には、GPIb-IX-V複合体異常(Bernard-Soulier症候群)、GPIIb/IIIa複合体異常(血小板無力症)などがあります。それぞれの遺伝形式、異常な膜タンパク質、臨床症状、検査所見(凝集能検査、形態など)を理解することが重要です。また、von Willebrand病はvon Willebrand因子の異常による一次止血異常で、血小板そのものの形態異常は伴いません。