グリセロール骨格構造を含むのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
グリセロール骨格を持つ主要な脂質は、グリセロールに脂肪酸がエステル結合したグリセリド(モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド)と、グリセロールに脂肪酸とリン酸、さらに他の分子が結合したグリセロリン脂質です。選択肢3のトリグリセライドと、選択肢5のホスファチジルエタノールアミン(グリセロリン脂質の一種)は、いずれもグリセロールを基本骨格としています。一方、レチノールはイソプレノイド、アラキドン酸は脂肪酸、スフィンゴミエリンはスフィンゴシンをそれぞれ基本骨格としています。
選択肢ごとの解説
- 1. レチノールはイソプレノイド構造を持つ脂溶性ビタミンであり、その構造中にグリセロール骨格は含まれません。正しくは:レチノールはイソプレノイド(ポリイソプレン)骨格を持つ化合物です。選びやすい理由:脂溶性ビタミンであるため、細胞膜構成成分などの脂質と混同しやすい可能性があります。混同注意:グリセリドやリン脂質といった、より一般的な脂質の種類と混同されることがあります。
- 2. アラキドン酸は炭素数20の多価不飽和脂肪酸であり、グリセロール骨格そのものは持ちません。脂肪酸は、グリセロールにエステル結合して脂質を形成する構成要素の一つです。正しくは:アラキドン酸は脂肪酸であり、グリセロール骨格は含まれません。グリセロールと結合することでトリグリセライドなどの脂質を形成します。選びやすい理由:トリグリセライドなどの主要な脂質の構成成分であるため、全体がグリセロール骨格を持つと誤解されやすいです。混同注意:脂肪酸とグリセロール骨格を持つ脂質(グリセリド)が混同されやすいです。
- 3. 正解。トリグリセライドは、1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合した構造をしており、グリセロール骨格がその中心を構成しています。
- 4. スフィンゴミエリンはスフィンゴシンを基本骨格とするスフィンゴ脂質の一種であり、グリセロール骨格は持ちません。リン脂質に分類されますが、グリセロリン脂質とは異なります。正しくは:スフィンゴミエリンはスフィンゴシン骨格を持つリン脂質です。選びやすい理由:細胞膜の主要な構成成分であるリン脂質に分類されるため、グリセロリン脂質(グリセロール骨格を持つリン脂質)と混同されやすいです。混同注意:ホスファチジルコリンなどのグリセロリン脂質と混同されやすいです。
- 5. 正解。ホスファチジルエタノールアミンはグリセロールの1位と2位に脂肪酸、3位にリン酸とエタノールアミンが結合したグリセロリン脂質であり、グリセロール骨格をその基本としています。
国試ポイント
この問題は、主要な脂質分子の構造と分類に関する基本的な知識を問うものです。特に、グリセロールを基本骨格とする脂質と、スフィンゴシンやイソプレノイドなどを基本骨格とする脂質との区別が重要です。「2つ選べ」という形式は、複数の正解肢を見つける能力を評価します。
混同注意
脂質全体の分類(単純脂質、複合脂質、誘導脂質)と、個々の分子が持つ特定の骨格構造(グリセロール、スフィンゴシン、イソプレノイドなど)の区別が曖昧だと混同しやすいです。特に、リン脂質の中でグリセロリン脂質(グリセロール骨格)とスフィンゴリン脂質(スフィンゴシン骨格)の違いは頻繁に問われるポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、まず与えられた脂質が『グリセロール骨格』を持つかどうか、あるいは『スフィンゴシン骨格』や『イソプレノイド骨格』など他の主要な骨格を持つかどうかを識別することが重要です。特に、リン脂質であれば、それがグリセロリン脂質かスフィンゴリン脂質かを判断する視点を持つようにしましょう。
関連知識
脂質の主要な分類(単純脂質、複合脂質、誘導脂質)とそれぞれの代表的な分子、およびそれらの生体内での役割を理解することが重要です。特に、グリセリド(中性脂肪)やグリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、ステロイドの基本構造と生体における機能について深く学ぶ必要があります。