Addison病で高値を示すのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
アジソン病は副腎皮質の機能が低下する原発性副腎皮質機能低下症です。このため、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールやアルドステロンの分泌が減少します。コルチゾール低下は下垂体からのネガティブフィードバックを抑制し、ACTH分泌を亢進させます。また、アルドステロン低下は腎臓でのナトリウム再吸収抑制(低ナトリウム血症)とカリウム排泄抑制(高カリウム血症)を引き起こします。したがって、血中ACTHと血清カリウムは高値を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アジソン病では副腎皮質の機能が低下しているため、コルチゾールなどの副腎皮質ホルモンの分泌が減少します。これにより、視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA軸)におけるネガティブフィードバックが解除され、下垂体からのACTH(副腎皮質刺激ホルモン)分泌が亢進し、血中濃度が高値を示します。
- 2. 正解。アジソン病では、副腎皮質からのアルドステロン分泌も低下します。アルドステロンは腎臓においてナトリウムの再吸収を促進し、カリウムの排泄を促進する働きがありますが、その欠乏により腎臓でのカリウム排泄が抑制されるため、血清カリウム値は上昇します(高カリウム血症)。
- 3. アジソン病によるアルドステロンの分泌低下は、腎臓でのナトリウム再吸収を抑制し、ナトリウムが尿中に過剰に排泄される原因となります。そのため、血清ナトリウム値は低下します(低ナトリウム血症)。正しくは:「低下を示す」選びやすい理由:アジソン病で電解質異常が生じることは知っていても、ナトリウムとカリウムのどちらが上昇し、どちらが低下するかを混同しやすいです。アルドステロンの作用を正確に覚えていないと誤りやすいでしょう。混同注意:血清カリウムの上昇と混同したり、抗利尿ホルモン不適切分泌症候群(SIADH)などの低ナトリウム血症を呈する他の病態と混同する可能性があります。
- 4. アジソン病は副腎皮質の破壊や機能不全による原発性の機能低下症であるため、副腎皮質で産生される主要な糖質コルチコイドであるコルチゾールの分泌は著しく低下します。したがって、血中コルチゾール濃度は低値を示します。正しくは:「低下を示す」選びやすい理由:ホルモン関連の疾患であるため、ホルモン値に異常があることは容易に判断できますが、具体的な変動方向(高値か低値か)を混同する可能性があります。混同注意:クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)でみられる高コルチゾール血症と混同しやすいです。
- 5. 17-ケトステロイド(17-KS)は主に副腎皮質で産生されるアンドロゲン(男性ホルモン)や、その他のステロイドホルモンの代謝産物です。アジソン病では副腎皮質機能が低下しているため、これらのホルモンの産生も減少し、それに伴い尿中への17-KS排泄量も低下します。正しくは:「低下を示す」選びやすい理由:副腎皮質ホルモンの代謝産物であるため、アジソン病で異常をきたすことは理解できますが、具体的な変動方向を記憶していないと誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:副腎皮質機能亢進症やアンドロゲン産生腫瘍などで17-KSが高値を示す病態と混同しやすいです。
国試ポイント
アジソン病(原発性副腎皮質機能低下症)における主要なホルモン(ACTH、コルチゾール、アルドステロン)および電解質(Na、K)の変動パターンを正確に理解しているかを問う問題です。特に、原発性か続発性かによってACTHの値が逆転するため、その区別が重要になります。
混同注意
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の検査値と混同しやすいです。また、アジソン病(原発性副腎皮質機能低下症)と続発性副腎皮質機能低下症(下垂体性ACTH分泌不全)ではACTHの血中濃度が逆になる点を混同しやすいので注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題される場合、アジソン病の診断における各種検査値の変動と、具体的な臨床症状(例:皮膚の色素沈着、低血圧、倦怠感など)との関連を問う問題が出される可能性があります。また、原発性と続発性の鑑別がより詳細に問われることも考えられます。
関連知識
副腎皮質ホルモンの合成経路、視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA軸)におけるネガティブフィードバック機構、アルドステロンの腎臓における作用機序、電解質バランスの調節、副腎皮質機能検査(例:ACTH負荷試験)。