心臓の胸骨左縁長軸像におけるカラードプラ像(別冊No. 6)を別に示す。矢印に認められる所見はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
胸骨左縁長軸像において、左心室から左心房への逆流は僧帽弁閉鎖不全を示唆します。画像では、僧帽弁に相当する位置(左心室と左心房の間)から左心房方向へ向かう(手前方向へ向かう)赤色と青色のモザイク状の異常血流(乱流)が認められ、これは収縮期に左心室から左心房へ血液が逆流していることを示しており、僧帽弁閉鎖不全と診断されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 三尖弁閉鎖不全では右心室から右心房への逆流が起こり、通常は心尖部四腔像などで描出されます。胸骨左縁長軸像では描出されにくく、また画像内の異常血流は三尖弁の位置とは異なります。正しくは:三尖弁閉鎖不全は右心室から右心房への逆流を指し、右心系が描出される断面で異常血流が確認されます。選びやすい理由:弁の閉鎖不全という点で似ていますが、解剖学的な位置が異なります。混同注意:僧帽弁閉鎖不全(左心系)
- 2. 心房中隔欠損は左心房から右心房へのシャント血流が特徴で、心房中隔を介した異常血流として描出されます。画像内の異常血流は心房中隔の位置とは異なります。正しくは:心房中隔欠損では心房中隔をまたぐ血流が認められます。選びやすい理由:先天性心疾患の一つであり、シャント血流として誤解する可能性があります。混同注意:心室中隔欠損
- 3. 正解。胸骨左縁長軸像では左心室と左心房、そして両者間の僧帽弁が描出されます。矢印で示されたモザイク状の異常血流は、収縮期に左心室から左心房へと逆流する血流を示しており、僧帽弁閉鎖不全に一致します。選びやすい理由:カラードプラ法の血流の方向と乱流の認識が正確であれば、迷うことは少ないでしょう。混同注意:三尖弁閉鎖不全、大動脈弁閉鎖不全
- 4. 心室中隔欠損では心室中隔を介した左右の心室間のシャント血流が認められます。画像内の異常血流は心室中隔の位置ではなく、弁レベルでの逆流を示唆しています。正しくは:心室中隔欠損では心室中隔をまたぐ血流が認められます。選びやすい理由:心臓の壁を隔てる異常血流と誤解する可能性があります。混同注意:心房中隔欠損
- 5. 大動脈弁閉鎖不全では拡張期に大動脈から左心室への逆流が起こります。画像内の異常血流は、大動脈弁の位置から左心室方向への拡張期の逆流とは異なり、僧帽弁の領域における収縮期の逆流を示唆しています。正しくは:大動脈弁閉鎖不全では、拡張期に大動脈から左心室への逆流が認められます。選びやすい理由:左心系の弁の異常という点で選択肢として考えられますが、血流の時期と方向が異なります。混同注意:僧帽弁閉鎖不全
国試ポイント
心エコー図におけるカラードプラ法の基本原理と、各弁の閉鎖不全または中隔欠損における異常血流の方向と描出部位を正確に理解すること。特に、胸骨左縁長軸像における各構造物の位置関係と、収縮期・拡張期における血流の生理的・病的状態を把握することが重要です。
混同注意
心室中隔欠損や大動脈弁閉鎖不全との混同に注意が必要です。心室中隔欠損では心室中隔を介したシャント血流が描出され、大動脈弁閉鎖不全では拡張期に大動脈から左心室への逆流が描出されます。それぞれ異常血流の描出部位と時期が異なります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題では、まず画像がどの断面(胸骨左縁長軸像、短軸像、心尖部四腔像など)であるかを確認し、次に異常血流が描出されている部位(どの弁、どの心腔間か)と、その血流の色(方向)から、それが心周期のどの時期に生じているかを総合的に判断して診断します。
関連知識
カラードプラ法では、プローブに向かってくる血流は赤色、遠ざかる血流は青色で表示されます。乱流はモザイク状に表示され、弁閉鎖不全や狭窄、シャントなどの病態を示唆します。心臓の各弁の位置と、心周期における血流の正常な方向を理解しておく必要があります。