血液培養陽性のボトル内容液から分離培養したコロニーのGram染色像(別冊No. 12)を別に示す。Gram染色では矢印で示す形態を示し、好気培養で発育せず、カタラーゼテスト陰性であった。推定されるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Gram陽性桿菌で、好気培養で発育せず(偏性嫌気性)、カタラーゼテスト陰性という性状は、Clostridium spp.に合致します(公式正答3)。Bacillus spp.・Corynebacterium spp.・Nocardia spp.は好気培養で発育し、カタラーゼ陽性です。
選択肢ごとの解説
- 1. Actinomyces spp.はGram陽性桿菌でカタラーゼ陰性のものが多いですが、通性嫌気性のものもあり好気培養でも発育しうる点、また分枝状の形態を示す点で、本問の所見とは異なります。正しくは:Actinomycesspp.は通常、嫌気性または微好気性ですが、好気培養で発育しないという明確な記載とは異なります。選びやすい理由:グラム陽性桿菌で嫌気性という点で一部共通するため。混同注意:他のグラム陽性嫌気性菌、特に形態が似ている菌と混同しやすい。
- 2. Bacillus spp.はGram陽性桿菌ですが、好気性または通性嫌気性で好気培養で発育し、カタラーゼ陽性です。正しくは:Bacillusspp.は好気性または通性嫌気性で、カタラーゼ陽性です。選びやすい理由:グラム陽性桿菌であるため、選択肢として考慮しやすい。混同注意:他のグラム陽性桿菌と混同しやすいが、増殖環境とカタラーゼテストで鑑別可能。
- 3. 正解。Clostridium spp.はGram陽性桿菌の偏性嫌気性菌で、好気培養では発育せず、カタラーゼ陰性です。本問の所見と一致します。正しくは:この選択肢は、問題文の全ての条件(グラム陽性桿菌、好気培養で発育しない、カタラーゼ陰性)に合致するため正しい。選びやすい理由:嫌気性菌であるという点で選択しやすい。混同注意:他の嫌気性グラム陽性桿菌(例: Propionibacterium spp., Actinomyces spp.)と混同しやすいが、カタラーゼ陰性という点で鑑別される。
- 4. Corynebacterium spp.はGram陽性桿菌ですが、通性嫌気性で好気培養でも発育し、カタラーゼ陽性です。正しくは:Corynebacteriumspp.は通性嫌気性で好気培養でも発育し、カタラーゼ陽性です。選びやすい理由:グラム陽性桿菌であるため、選択肢として考慮しやすい。混同注意:他のグラム陽性桿菌と混同しやすいが、増殖環境とカタラーゼテストで鑑別可能。
- 5. Nocardia spp.はGram陽性で分枝状の形態を示すことがありますが、好気性菌で好気培養で発育し、カタラーゼ陽性です。正しくは:Nocardiaspp.は好気性で好気培養で発育し、カタラーゼ陽性です。選びやすい理由:グラム陽性で特殊な形態を示す点で一部共通するため。混同注意:Actinomycesspp.などの分枝状グラム陽性桿菌と混同しやすいが、好気性である点で鑑別される。
国試ポイント
グラム染色像、培養条件(好気・嫌気)、生化学的性状(カタラーゼテスト)を組み合わせた細菌の同定に関する知識が問われています。特に、嫌気性菌の同定がポイントです。
混同注意
グラム陽性桿菌には様々な種類があり、形態のみで判断すると誤りやすい。培養条件や生化学的性状を組み合わせることが重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず「グラム染色像」で大まかな分類(グラム陽性/陰性、球菌/桿菌)を行い、次に「培養条件」で好気性/嫌気性を判断し、最後に「生化学的性状」(カタラーゼ、オキシダーゼなど)で絞り込む、というステップで解答を導く。
関連知識
・主要な病原菌のグラム染色性状、形態、培養条件、カタラーゼテストの結果 ・偏性嫌気性菌の定義と代表的な菌種(例: Clostridium, Bacteroides, Propionibacterium) ・血液培養陽性時の迅速同定のためのフローチャート