病原体と染色法の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
赤痢アメーバの便検体中の栄養型や嚢子は、ヘマトキシリン染色によって核の形態やクロマチン顆粒などの特徴が明瞭に観察でき、診断に不可欠な染色法です。
選択肢ごとの解説
- 1. マラリア原虫の検出には通常、ギムザ染色が用いられ、赤血球内の原虫や発育段階を観察します。キニヨン抗酸染色は、結核菌などの抗酸菌の検出に用いられる特殊染色法です。正しくは:マラリア原虫 — ギムザ染色選びやすい理由:特殊な染色法が組み合わされているため、知識が曖昧だと正しいと感じてしまう可能性があります。混同注意:抗酸染色とギムザ染色、あるいはマラリア原虫と抗酸菌を混同している可能性があります。
- 2. 正解。赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)の検出において、ヘマトキシリン染色は非常に有効です。特に便検体中の栄養型や嚢子を染色し、核の構造や形態的特徴を詳細に観察するのに適しています。
- 3. トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)は、通常、ギムザ染色やWright染色、あるいは免疫組織化学染色などで検出されます。墨汁染色は、クリプトコッカスなどの莢膜を持つ真菌の検出に用いられる染色法で、原虫には適用されません。正しくは:トキソプラズマ原虫 — ギムザ染色選びやすい理由:墨汁染色が特殊な病原体の検出に用いられることは知っていても、対象が間違っている場合があります。混同注意:トキソプラズマとクリプトコッカスなどの莢膜真菌を混同している可能性があります。
- 4. リーシュマニア原虫の検出には、主にギムザ染色が用いられます。コーン染色は、細菌の芽胞を染色する特殊染色法であり、原虫の検出には不適切です。正しくは:リーシュマニア原虫 — ギムザ染色選びやすい理由:特殊な染色法であるコーン染色と原虫の組み合わせが、知識が不確かな場合に正しく見えてしまう可能性があります。混同注意:ギムザ染色とコーン染色、あるいは原虫と細菌の芽胞を混同している可能性があります。
- 5. クリプトスポリジウムの検出には、一般的に変法抗酸染色(Kinyoun変法やZiehl-Neelsen変法)が用いられます。ギムザ染色でも染色されないわけではありませんが、検出感度が低く、特異性も抗酸染色ほど高くないため、主要な染色法ではありません。正しくは:クリプトスポリジウム — 変法抗酸染色選びやすい理由:ギムザ染色が多くの原虫の検出に使われるため、正しい選択肢だと誤解しやすいです。混同注意:クリプトスポリジウムとギムザ染色が適用される他の原虫(例:マラリア)を混同している可能性があります。
国試ポイント
病原体と、その検出に一般的に用いられる代表的な染色法の組み合わせについて問われています。特に寄生虫学検査における主要な染色法とその適用対象を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
多くの寄生虫や微生物の染色法にはギムザ染色が用いられますが、抗酸染色や墨汁染色など、特定の形態や性状を持つ病原体に特異的な染色法も存在するため、それらを混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合は、各病原体の形態的特徴(例:莢膜、細胞壁、核の構造)と、それらの特徴を可視化するのに適した染色原理(例:抗酸性、核染色性、莢膜染色性)を結びつけて確認する。
関連知識
ギムザ染色(マラリア、リーシュマニア、トリパノソーマ、トキソプラズマ)、変法抗酸染色(クリプトスポリジウム、サイクロスポラ)、墨汁染色(クリプトコッカス)、チール・ネルゼン/キニヨン抗酸染色(結核菌)、グラム染色(細菌)。