細胞壁にメラニン色素を保有するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Exophiala属は、暗色真菌(dematiaceous fungi)の一種であり、その細胞壁にメラニン色素を含んでいます。このメラニンは、真菌を紫外線や活性酸素、宿主の免疫応答から保護する重要な役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. Aspergillus属の細胞壁はキチンなどで構成されますが、通常メラニン色素は保有しません。分生子の色調は種類によって異なりますが、これはメラニンではないです。正しくは:Aspergillus属は、特定の条件下で一部の種がアフラトキシンなどの二次代謝産物を産生することで知られています。選びやすい理由:黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)など色のついたコロニーを形成する種があるため、色素と混同しやすいかもしれません。混同注意:細胞壁の色素と、コロニーの色や分生子の色を混同する可能性があります。
- 2. Epidermophyton属は皮膚糸状菌の一種であり、細胞壁にメラニン色素を保有しません。主にケラチンを分解して増殖します。正しくは:Epidermophyton属は、足白癬や股部白癬などの皮膚真菌症の原因となります。選びやすい理由:皮膚に感染することから、皮膚の色素沈着と関連付ける誤解が生じるかもしれません。混同注意:真菌が感染する組織の色素と、真菌自体の細胞壁色素を混同する可能性があります。
- 3. 正解。Exophiala属は、細胞壁にメラニン色素を保有する「黒色酵母」または「暗色真菌」に分類される真菌です。メラニンは真菌を紫外線や活性酸素から保護する役割を持っています。
- 4. Penicillium属は青緑色のコロニーを形成するカビの一種ですが、細胞壁にメラニン色素は保有しません。この青緑色は分生子の色に由来します。正しくは:Penicillium属は、ペニシリンなどの抗生物質生産や、チーズの製造に利用されることで知られています。選びやすい理由:青緑色のコロニーを形成するため、この色がメラニンと誤解される可能性があります。混同注意:コロニーや分生子の色と、細胞壁のメラニン色素を混同する可能性があります。
- 5. Rhizopus属は接合菌類に属し、通常、細胞壁にメラニン色素を保有しません。急速に増殖し、綿毛状のコロニーを形成します。正しくは:Rhizopus属は、ムコール症などの日和見感染症の原因となることがあります。選びやすい理由:特定の条件で黒っぽい色に見えることがあるため、メラニンと誤解されるかもしれません。混同注意:コロニーの見た目の色と、細胞壁の構成成分としてのメラニンを混同する可能性があります。
国試ポイント
暗色真菌(dematiaceous fungi)に分類される真菌が細胞壁にメラニン色素を保有するという基本的な知識が問われています。主な属名と、その特徴を正確に理解しているかを確認する問題です。
混同注意
真菌の細胞壁の色素(メラニン)と、コロニーや分生子に見られる色(例: Aspergillus属の黒、Penicillium属の青緑)を混同しやすいです。細胞壁のメラニンは、紫外線防御など特定の生理的機能を持つことが特徴です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、暗色真菌に分類される他の真菌属(Fonsecaea、Cladophialophoraなど)や、メラニンが真菌の病原性や薬剤耐性にどう関与するかを問われる可能性があります。
関連知識
暗色真菌には、Exophiala属の他に、Fonsecaea属、Cladophialophora属、Wangiella属などがあり、これらは真菌症(特に皮下真菌症や深在性真菌症)の原因となります。メラニンの有無は、真菌の分類だけでなく、薬剤感受性にも影響を与えることがあります。