正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
選択肢4は、容量測定器具の基準温度に関する基本的な知識を問うもので、JIS規格などにより20℃が基準と定められています。選択肢5は、オストワルドピペットの特性に関する知識を問うもので、粘性の高い液体の分取に特化している点が正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. ガラス製の測定容器を濡れたまま乾熱滅菌器に入れると、急激な温度変化で破損したり、水滴の蒸発時に内面にウォータースポットが残ったりする可能性があります。また、乾熱滅菌器は高温になるため、目盛りの精度に影響を与える恐れもあります。正しくは:濡れたガラス製測定容器は、自然乾燥させるか、低温の乾燥機でゆっくりと乾燥させるのが望ましいです。特に精度の要求される容器は、最終的に清潔な布で拭き取ることもあります。選びやすい理由:乾熱滅菌器が乾燥機能を持つ機器であるため、乾燥目的に使用できると誤解しやすい。混同注意:滅菌と乾燥の目的、およびガラス器具への影響。
- 2. 所定量の溶液を調製する場合、特に容量フラスコなどの精密な測定容器では、まず別の容器(例:ビーカー)で溶質を溶解させてから、その溶液を測定容器に移し、標線まで希釈するのが一般的です。測定容器内で直接溶解させると、溶質や溶解熱による体積変化、および洗浄の困難さから、最終容量の精度が保証されにくくなります。正しくは:所定量の溶液を調製する際は、まず別の容器で溶質を溶解させ、完全に溶解した溶液を測定容器に移し替えてから、標線まで希釈・定容する。選びやすい理由:一つの容器で全て完結させたいという効率性からの発想。混同注意:溶液調製の正しい手順と、容量フラスコなどの精密容器の正しい使用法。
- 3. メスフラスコは、精密な容量測定を目的とした器具であり、一般的にメスシリンダーよりも高い精度が求められます。そのため、メスフラスコの検定公差(許容誤差)は、メスシリンダーよりも小さく設定されています。正しくは:メスフラスコの検定公差はメスシリンダーよりも小さい。選びやすい理由:日常的に使う頻度の違いや、見た目の大きさで精度を判断してしまう。混同注意:各種容量計の用途と精度(検定公差の大小)。
- 4. 正解。JIS規格などにより、ガラス製容量計(ピペット、フラスコ、シリンダーなど)は、基準温度として20℃において表示容積を示すように校正・製造されています。これは、液体の体積が温度によって変化するため、標準的な測定条件を定めているためです。選びやすい理由:温度条件まで意識していないと、この知識が抜けている可能性がある。混同注意:特に混同するものはないが、液体の体積が温度によって変化するという基本的な物理法則を理解しているかが問われる。
- 5. 正解。オストワルドピペット(ホールピペットの一種)は、粘性の高い液体を分取する際に、内壁への液残りによる誤差を減らすために、先端の排出時間が長く設定されています。これにより、粘性のある試料でも正確な分取が可能になります。選びやすい理由:ピペットの種類と特性を十分に理解していないと、他のピペットと混同する可能性がある。混同注意:ホールピペット、メスピペット、マイクロピペットなど、他のピペットの種類や用途との混同。
国試ポイント
臨床検査の基本的な操作や器具の取り扱いに関する知識は、毎年必ず出題されます。特に容量測定器具の種類、特性、正しい使用方法、校正条件などは頻出です。それぞれの器具の名称、用途、精度、特筆すべき特性(例:粘性液への対応、洗浄方法)を正確に理解しているかが問われます。
混同注意
容量計の精度(メスフラスコ vs メスシリンダー)、ピペットの種類(ホールピペット、メスピペット、オストワルドピペット、マイクロピペット)とその用途、器具の乾燥・滅菌方法。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各容量計の具体的な容量(例:10 mL、100 mL)、精度等級(Class A, Class B)、あるいはピペットの排出方式(to deliver, to contain)など、より詳細な特性が問われる可能性もあります。また、溶液調製時の計算(モル濃度、質量濃度)と器具選択の組み合わせ問題も想定されます。
関連知識
ガラス器具の洗浄・乾燥・滅菌方法、溶液調製の基本手順、JIS K 0050(試薬の調製と取扱)等の規格、液体の体積と温度の関係、表面張力と粘性がピペット操作に与える影響。