うっ血と関係ないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
うっ血とは、静脈還流の障害により組織や臓器に血液が異常に貯留する状態を指します。選択肢1の偽膜は、細菌感染などによる炎症反応の結果として生じるフィブリンや壊死組織の蓄積であり、うっ血とは直接関連しません。一方、心臓病細胞、チアノーゼ、にくずく肝、ガムナ・ガンディ結節はいずれもうっ血に関連する病態や所見です。心臓病細胞は肺うっ血、チアノーゼは全身の酸素飽和度低下を伴ううっ血、にくずく肝は肝うっ血、ガムナ・ガンディ結節は脾うっ血とそれぞれ関連しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。偽膜は炎症性病変であり、フィブリン、壊死組織、白血球などから構成されます。細菌感染(特にジフテリアや偽膜性大腸炎など)により粘膜表面に形成されるもので、循環障害によるうっ血とは直接的な関係がありません。正しくは:偽膜は炎症反応の結果として形成される膜状物であり、うっ血とは異なる病態である。選びやすい理由:炎症性の変化と血管透過性亢進による浮腫が関連するため、うっ血と混同しやすいかもしれない。混同注意:うっ血性浮腫や血管炎による滲出物と混同される可能性がある。
- 2. 心臓病細胞(heart failure cellsまたは心不全細胞)は、肺うっ血によって肺胞内に漏出した赤血球を貪食したマクロファージを指します。これらの細胞にはヘモジデリンが沈着しており、慢性的な肺うっ血の兆候です。正しくは:心臓病細胞は、肺うっ血によって肺胞内に漏出した赤血球を貪食したマクロファージであり、慢性肺うっ血の指標である。選びやすい理由:「心臓病」という語が含まれるため、心臓疾患と関連しないと考えてしまう可能性がある。混同注意:他の心疾患に伴う細胞性変化と混同されることがある。
- 3. チアノーゼは、血液中の還元ヘモグロビンが増加し、皮膚や粘膜が青紫色に変色する状態です。これは、組織での酸素消費量の増加や、静脈血のうっ滞(うっ血)により酸素飽和度が低下することによって引き起こされます。正しくは:チアノーゼは、還元ヘモグロビン増加による皮膚・粘膜の青紫色変化であり、うっ血により酸素飽和度が低下することで発生しうる。選びやすい理由:様々な原因で発生するため、うっ血との直接的な関連性を見落としやすいかもしれない。混同注意:中心性チアノーゼと末梢性チアノーゼの違いや、その他の低酸素状態と混同されることがある。
- 4. にくずく肝(nutmeg liver)は、慢性的な肝うっ血、特に右心不全に伴う肝臓の病変を指します。肝臓の中央静脈周囲にうっ血が見られ、切断面がナツメグの断面に似ていることから名付けられました。正しくは:にくずく肝は、慢性肝うっ血、特に右心不全によって生じる肝臓の変化であり、うっ血と密接に関連している。選びやすい理由:「にくずく」というユニークな名前から、病態との関連が想起しにくいかもしれない。混同注意:他の肝疾患、特に肝硬変や肝炎などの病理学的変化と混同されることがある。
- 5. ガムナ・ガンディ結節は、脾臓に見られる病変で、陳旧性のうっ血や線維化、ヘモジデリン沈着、カルシウム沈着が特徴です。特に門脈圧亢進症に伴う慢性的な脾うっ血の結果として形成されます。正しくは:ガムナ・ガンディ結節は、慢性脾うっ血、特に門脈圧亢進症によって脾臓に形成される病変であり、うっ血と強く関連している。選びやすい理由:あまり一般的ではない用語なので、知識が不足していると判断が難しいかもしれない。混同注意:脾臓の他の結節性病変や、炎症性肉芽腫と混同されることがある。
国試ポイント
本問題は、病理学における「うっ血」の概念と、それによって引き起こされる具体的な臓器変化や臨床所見について、複数の知識を横断的に問うものです。各選択肢の病態がうっ血とどのように関連しているか、または関連していないかを正確に理解しているかを評価します。
混同注意
炎症、浮腫、出血など、他の循環障害や炎症性病変と混同しやすい。特に、うっ血による滲出液と炎症性滲出液の違いや、慢性的な組織変化の背景にある病態を理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た際には、各病変が「血管内の血液量の異常な増加」であるうっ血の結果なのか、それとも「炎症」「出血」「虚血」といった別の主要な病態によるものなのかを判断する視点を持つことが重要です。
関連知識
循環障害(うっ血、虚血、ショック)、炎症の基本病変(滲出、増殖)、各臓器の病理学(肺、肝臓、脾臓の循環障害)。