熱画像検査〈サーモグラフィ〉で高温相を示すことが多い病態はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
動脈瘤、特に炎症を伴うものや血流が豊富な動脈瘤では、周囲組織と比較して血流量の増加や代謝活性の亢進により熱産生が増加し、熱画像検査で高温相を示すことが多い。特に活動性の炎症を伴う動脈瘤や破裂のリスクが高い動脈瘤では血流の局所的な増加が顕著となり、高温として検出されやすい。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。動脈瘤、特に炎症や血流増加を伴う場合は、その部位の血流増加と代謝亢進により熱産生が増加し、熱画像検査で高温相を示す。選びやすい理由:炎症性疾患や血流増加を伴う病態が熱画像検査で高温を示すという基本的な原理を理解していれば選択しやすい。混同注意:動脈瘤そのものの温度ではなく、周囲組織における血流増加や炎症による表面温度の変化を捉えている点。
- 2. 皮膚潰瘍は、感染や炎症を伴う場合は高温相を示すことがあるが、壊死組織を伴う場合や慢性期では血流の低下や組織の代謝低下により必ずしも高温相を示すとは限らない。一般的には周囲の炎症があれば高温、壊死が主体であれば低温や混合相を示す。正しくは:感染や強い炎症を伴う皮膚潰瘍では高温相を示すことがある。選びやすい理由:潰瘍=炎症という連想から高温と捉えがちだが、壊死組織の有無や血流の状態によって異なるため、一概に高温相とは限らない。混同注意:炎症性病態全般。皮膚潰瘍の病態が多様であることと、感染や炎症の有無で熱画像所見が異なること。
- 3. リンパ浮腫はリンパ液の鬱滞により組織間液が増加し浮腫が生じる病態であるが、炎症や感染を伴わない限り、局所の血流増加や代謝亢進は限定的であり、熱画像検査で顕著な高温相を示すことは少ない。むしろ、慢性期には線維化により血流が低下し、低温を示すこともある。正しくは:炎症を伴わないリンパ浮腫では高温相を示すことは少ない。選びやすい理由:浮腫という状態が何らかの病的な変化を示唆するため、熱産生が亢進すると誤解しやすい。混同注意:蜂窩織炎などの感染性浮腫。単純なリンパ浮腫と炎症を伴う浮腫の違い。
- 4. Raynaud現象は寒冷刺激や精神的ストレスにより手指や足趾の動脈が発作的に収縮し、血流が低下する病態であるため、熱画像検査では低温相を示す。正しくは:Raynaud現象は低温相を示す。選びやすい理由:病的な状態であるため、高温を示すと誤解する可能性がある。混同注意:炎症性病態。血流低下が原因であることを理解していないと間違えやすい。
- 5. 閉塞性動脈硬化症は動脈の狭窄や閉塞により末梢の血流が低下する病態であるため、熱画像検査では患肢の皮膚表面温度が低下し、低温相を示す。正しくは:閉塞性動脈硬化症は低温相を示す。選びやすい理由:動脈硬化という病名から、何らかの代謝亢進を連想して高温と誤解する可能性がある。混同注意:炎症性病態。血流低下が原因であることを理解していないと間違えやすい。
国試ポイント
熱画像検査(サーモグラフィ)は皮膚表面の温度分布を非侵襲的に可視化する検査であり、血流や炎症、代謝の変化を反映する。血流増加や炎症性変化がある病態で高温相を示す。
混同注意
熱画像検査は皮膚表面の温度分布を評価するものであり、深部の病変そのものの温度を直接測定するものではない。あくまで皮膚表面の熱伝達の変化を捉えるものである。
次に同じ論点が出たら
熱画像検査の診断では、血流増加や炎症性変化がある病態は高温相を、血流低下がある病態は低温相を示すことを中心に判断する。
関連知識
熱画像検査は、炎症性疾患(関節炎、蜂窩織炎)、悪性腫瘍、血行障害(末梢動脈疾患の重症度評価、糖尿病性神経障害)などの診断補助や経過観察に用いられる。Raynaud現象や閉塞性動脈硬化症では血流低下により低温相を示す。