医療用MRI検査で使用するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
MRI検査で使用される主な造影剤は、T1緩和時間を短縮させる常磁性体であるガドリニウム製剤と、T2*緩和時間を短縮させる超常磁性体である超常磁性酸化鉄製剤(SPIO)です。ガドリニウム製剤は様々な病変の描出に広く用いられ、SPIOは特に肝臓やリンパ節の病変検出に特化して使用されます。他の選択肢は、それぞれ超音波検査、核医学検査、X線検査で用いられるものであり、MRI検査とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 微小気泡製剤は、主に心臓や血管の超音波検査において、血流の評価や組織の描出を向上させる目的で使用される造影剤です。MRI検査では使用されません。正しくは:MRI検査では使用されず、超音波検査で用いられます。選びやすい理由:「造影剤」という言葉から、何らかの画像診断で使われると連想されるため、誤って選択しやすいです。混同注意:MRI造影剤と、超音波検査で用いられる超音波造影剤を混同しやすいです。
- 2. テクネチウム(99mTc)は、核医学検査(シンチグラフィやSPECTなど)で用いられる放射性同位体であり、様々な診断薬の標識核種として利用されます。MRI検査では使用されません。正しくは:MRI検査では使用されず、核医学検査で用いられる放射性同位体です。選びやすい理由:「検査薬」として利用されるため、広義の診断薬と捉えられ、画像診断全般と誤解しやすいです。混同注意:MRIで用いる造影剤と、核医学検査で用いる放射性医薬品を混同しやすいです。
- 3. 硫酸バリウムは、主に消化管のX線造影検査において、管腔内を充満させて粘膜の形状や病変を評価するために経口または経腸的に投与される造影剤です。MRI検査では使用されません。正しくは:MRI検査では使用されず、主にX線検査で用いられます。選びやすい理由:「造影剤」として非常に有名であるため、画像診断全般で使用されると誤解しやすいです。混同注意:MRI造影剤とX線造影剤を混同しやすいです。
- 4. 正解。ガドリニウム製剤は、常磁性体であり、体内の水分子のT1緩和時間を短縮させる効果によって、MRIのT1強調画像を増強させます。脳、血管、炎症部位などの病変検出に広く利用されるMRI造影剤です。
- 5. 正解。超常磁性酸化鉄製剤(SPIO)は、超常磁性体であり、体内の水分子のT2*緩和時間を著しく短縮させる効果があります。主に肝臓の病変(例: 肝細胞癌と非癌性組織の区別)やリンパ節の評価に用いられるMRI造影剤です。
国試ポイント
医療用MRI検査で使用される造影剤の種類とその特性、および他の画像診断法(X線、超音波、核医学)で用いられる薬剤や造影剤との区別に関する知識が問われています。各画像診断モダリティに特有の薬剤を正確に理解していることが重要です。
混同注意
MRI、X線検査(CT含む)、超音波検査、核医学検査といった異なる画像診断モダリティで使用される造影剤や薬剤を混同しやすいです。それぞれの作用機序や主な用途を正確に区別することが求められます。
次に同じ論点が出たら
今後、類似問題が出題された場合、MRI造影剤の具体的な種類だけでなく、それぞれの造影剤がT1強調画像とT2強調画像のどちらを主に増強するのか、またどのような特定の疾患や臓器(例: 脳腫瘍、肝細胞癌、血管病変など)の診断に用いられるのか、さらに詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
MRI造影剤の種類(ガドリニウム製剤、SPIO、USPIOなど)とその作用機序(T1短縮効果、T2*短縮効果)、主な適用部位・疾患。超音波造影剤(微小気泡)の用途。核医学検査で用いられる放射性医薬品(テクネチウム標識製剤、タリウム製剤など)の役割。X線造影剤(硫酸バリウム、ヨード造影剤など)の種類と用途、副作用と禁忌。