Th1細胞が産生するサイトカインはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
Th1細胞は細胞性免疫を誘導するヘルパーT細胞のサブセットであり、主にウイルス感染細胞や細胞内寄生菌に対する免疫応答に関与します。これらの応答を促進するため、マクロファージの活性化や細胞傷害性T細胞の分化・増殖を強力に誘導するサイトカインを産生します。インターフェロン-γ (IFN-γ) はマクロファージの活性化を強力に促進し、MHCクラスI/II分子の発現を増加させ、Th1応答の主たるエフェクターサイトカインです。インターロイキン-2 (IL-2) はT細胞自身の増殖と分化を促進する自己分泌性サイトカインであり、特にT細胞クローン拡大に必須で、Th1細胞の増殖にも重要です。これらのサイトカインは、細胞性免疫応答の中核を担うTh1細胞の機能発現に不可欠です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。インターフェロン-γ (IFN-γ) は、Th1細胞が産生する主要なサイトカインであり、マクロファージの活性化やMHCクラスI/II分子の発現増加、細胞傷害性T細胞の分化誘導など、細胞性免疫応答に不可欠な役割を果たします。選びやすい理由:Th1細胞の主要サイトカインとして非常に有名であり、細胞性免疫の中心的な役割を担うため、迷わず選択しやすいです。混同注意:IL-4 (Th2細胞の主要サイトカイン)とは作用が対照的であるため、混同しないように注意が必要です。
- 2. 正解。インターロイキン-2 (IL-2) は、T細胞の増殖・分化に重要なサイトカインであり、Th1細胞自身も産生して自己増殖を促進します。また、他のT細胞やNK細胞の増殖・活性化にも寄与し、細胞性免疫応答の全体的な増強に貢献します。選びやすい理由:IL-2はT細胞の増殖因子として広く知られているため、Th1細胞の分化・増殖に関わるサイトカインとして選択しやすいです。混同注意:IL-4、IL-5 (Th2細胞のサイトカイン)と混同しないように注意が必要です。IL-2は広範なT細胞活性化に関わります。
- 3. インターロイキン-4 (IL-4) は、主にTh2細胞が産生するサイトカインであり、B細胞からのIgE産生促進やTh2細胞の分化誘導に関与し、アレルギー反応や寄生虫感染に対する液性免疫応答において中心的な役割を果たします。Th1細胞はIL-4をほとんど産生しません。正しくは:インターロイキン-4は主にTh2細胞が産生するサイトカインです。選びやすい理由:「インターロイキン」という名前から、T細胞が産生するサイトカインであること自体は正しいため、Th1細胞との関連性を誤認しやすいです。混同注意:インターフェロン-γ (Th1細胞) と作用が対照的であるため、Th1とTh2が産生するサイトカインを混同しやすいです。
- 4. インターロイキン-5 (IL-5) は、主にTh2細胞が産生するサイトカインであり、好酸球の分化、増殖、活性化を促進し、寄生虫感染に対する免疫応答やアレルギー反応に関与します。Th1細胞はIL-5を産生しません。正しくは:インターロイキン-5は主にTh2細胞が産生するサイトカインです。選びやすい理由:IL-4と同様にT細胞由来のサイトカインであるため、Th1細胞との関連性を誤って結びつけやすいです。混同注意:IL-4と同様に、Th2細胞が産生する主要サイトカインであるため、Th1とTh2のサイトカインを混同しやすいです。
- 5. インターロイキン-10 (IL-10) は、主に制御性T細胞 (Treg) やマクロファージ、一部のTh2細胞が産生するサイトカインであり、免疫応答の抑制に関与します。Th1細胞は一般的にIL-10を主要サイトカインとして産生しません。正しくは:インターロイキン-10は主に制御性T細胞 (Treg) やマクロファージが産生するサイトカインです。選びやすい理由:免疫抑制作用を持つサイトカインとして知られているため、Th1細胞の応答の終息や調節に関わる可能性を想像し、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:Treg細胞やTh2細胞が産生するサイトカインであるため、Th1細胞のサイトカインと混同しやすいです。
国試ポイント
Th1細胞とTh2細胞がそれぞれ産生する主要サイトカインの種類と、それが誘導する免疫応答のタイプ(細胞性免疫 vs 液性免疫)を区別して覚えることが重要です。
混同注意
Th1細胞とTh2細胞のサイトカイン産生パターンは逆の作用を示すことが多く、特にIFN-γ (Th1) とIL-4 (Th2) は対照的です。これらの混同を避ける必要があります。
次に同じ論点が出たら
T細胞の分化サブセット(Th1, Th2, Th17, Tregなど)と、それぞれが産生する主要サイトカインおよびその免疫学的役割について正確に理解できているかを確認します。特に、感染症の種類(ウイルス、細菌、寄生虫)やアレルギー疾患の病態と関連付けて判断します。
関連知識
Th2細胞はIL-4, IL-5, IL-13を産生し、B細胞の抗体産生(特にIgE)や好酸球の活性化を介した寄生虫排除やアレルギー反応に関与します。制御性T細胞(Treg)はIL-10やTGF-βを産生し、免疫応答の抑制に関与します。