交差適合試験において間接抗グロブリン試験の主試験が陽性になる原因はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
間接抗グロブリン試験(クームス試験)の主試験は、患者血漿中の抗体と供血者赤血球の抗原との反応を検出するものです。したがって、患者血漿中に輸血用血液の赤血球と反応する抗体(例:低頻度抗原に対する抗体)が存在する場合に陽性となります(選択肢3)。また、提供される血液の赤血球表面にすでに抗体が結合している(DAT陽性である)場合も、抗グロブリン血清に反応して陽性となります(選択肢5)。連銭形成や洗浄不足は偽陽性の原因となる可能性はありますが、真の陽性原因ではありません。患者自身のDAT陽性は、患者赤血球の感作を示し、主試験の直接の陽性原因とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 連銭形成は非特異的な赤血球凝集であり、間接抗グロブリン試験(IAT)では生理食塩水洗浄によって除去されるため、陽性反応の原因にはなりません。正しくは:連銭形成は洗浄によって除去されるため、IAT陽性の直接的な原因とはならない。選びやすい理由:凝集反応の一種なので、一見関係があるように見えるかもしれませんが、IATの原理を理解していれば洗浄によって除去されるとわかります。混同注意:特異抗体による凝集反応と、非特異的な連銭形成を混同しやすい。
- 2. 洗浄操作が不十分だと、検体中の遊離抗体が除去されずに残ってしまい、非特異的な反応(偽陽性)を引き起こす可能性がありますが、これは真の陽性反応の原因ではありません。間接抗グロブリン試験の「陽性」は、赤血球に結合した抗体を検出することを意味します。正しくは:洗浄不足は偽陽性の原因となるが、真の陽性反応の原因ではない。選びやすい理由:洗浄が検査の精度に影響を与えることは事実なので、選びたくなるかもしれません。混同注意:真の陽性原因と、検査手技上の問題による偽陽性原因を混同しやすい。
- 3. 正解。間接抗グロブリン試験の主試験は、患者血漿中の不規則抗体(抗赤血球抗体)と、輸血用血液の赤血球表面抗原との反応を検出します。したがって、患者が低頻度抗原に対する抗体を保有し、それが供血者の赤血球に発現している場合、陽性反応となります。
- 4. 患者のDAT陽性は、患者自身の赤血球表面にすでに抗体が結合している状態を示します。間接抗グロブリン試験の主試験は、患者血漿中の抗体が供血者の赤血球に結合するかを見るものであり、患者自身の赤血球の状態が直接その反応の陽性原因とはなりません。正しくは:患者のDAT陽性は、患者自身の赤血球に抗体が結合していることを示し、主試験(患者血漿と供血者赤血球)の陽性原因とは直接関係ない。選びやすい理由:抗体や抗グロブリン試験というキーワードが共通しているため、関連があるように思えるかもしれません。混同注意:患者のDAT陽性と、患者血漿中の不規則抗体を検出する間接抗グロブリン試験の原理を混同しやすい。
- 5. 正解。間接抗グロブリン試験の主試験は、患者血漿と供血者赤血球を反応させます。もし供血者の赤血球があらかじめ抗体で感作されており、DATが陽性である場合、間接抗グロブリン試験の段階で抗グロブリン血清を加えると、結合している抗体が検出され陽性となります。これは不適合輸血につながる可能性があるため、重要な情報です。
国試ポイント
輸血検査における交差適合試験(クロスマッチ)のうち、間接抗グロブリン試験の主試験の原理と、陽性となる具体的な原因について理解しているかを問う問題です。特に、患者と供血者、そして抗体と抗原の関係性を正確に把握しているかが重要です。
混同注意
間接抗グロブリン試験の偽陽性原因(例:洗浄不足)と真の陽性原因、および患者自身のDAT陽性と供血者のDAT陽性の違い。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、間接抗グロブリン試験の副試験の陽性原因や、間接抗グロブリン試験で検出できない不適合輸血の原因について問われる可能性があるため、それぞれの原理と関連する病態生理を再確認することが求められます。
関連知識
輸血前検査の意義、不規則抗体スクリーニング、直接抗グロブリン試験(DAT)と間接抗グロブリン試験(IAT)の原理、主試験と副試験の違い。