日本臨床化学会〈JSCC〉勧告法による酵素活性測定で340 nmの吸光度増加を測定するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
クレアチンキナーゼ (CK) のJSCC勧告法による活性測定では、共役酵素反応によりNADPHが生成されます。NADPHは340nmに極大吸収を持つため、その生成に伴う吸光度の増加を測定することでCKの活性を定量します。
選択肢ごとの解説
- 1. ALP活性測定では、p-ニトロフェニルリン酸を基質とし、生成するp-ニトロフェノールを405nm付近の吸光度で測定します。正しくは:ALP活性測定では405nmで吸光度増加を測定します。選びやすい理由:酵素活性測定で吸光度変化を測定するという点は共通していますが、波長が異なります。混同注意:他の酵素測定法で使用される波長と混同しやすいです。
- 2. AST活性測定では、マレートデヒドロゲナーゼ (MDH) を共役酵素としてNAD+がNADHに還元される反応を利用するため、340nmにおける吸光度"減少"を測定します。正しくは:AST活性測定では340nmで吸光度減少を測定します。選びやすい理由:ASTは340nmの波長を使用しますが、吸光度変化の方向が異なります。混同注意:吸光度変化の方向(増加か減少か)と混同しやすいです。
- 3. ChE活性測定にはさまざまな方法がありますが、JSCC勧告法では主にチオコリンエステルを基質とし、生成するチオコリンを5-5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸) (DTNB) と反応させて410nm付近の吸光度増加を測定します。正しくは:ChE活性測定では410nm付近で吸光度増加を測定します。選びやすい理由:酵素活性測定である点は共通していますが、使用する波長が異なります。混同注意:他の酵素測定法で使用される波長と混同しやすいです。
- 4. 正解。CK活性測定 (JSCC勧告法) では、クレアチンリン酸とADPからATPが生成され、このATPを用いてヘキソキナーゼ (HK) およびグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ (G6PDH) の共役反応によりNADPHが生成されます。NADPHは340nmに特徴的な吸収を持つため、その増加を吸光度変化として測定します。正しくは:クレアチンキナーゼ (CK) 活性測定では340nmで吸光度増加を測定します。選びやすい理由:正しい選択肢です。
- 5. γ-GT活性測定では、L-γ-グルタミル-3-カルボキシ-4-ニトロアニリドを基質とし、遊離する3-カルボキシ-4-ニトロアニリンの生成を410nm付近の吸光度増加として測定します。正しくは:γ-GT活性測定では410nm付近で吸光度増加を測定します。選びやすい理由:酵素活性測定である点は共通していますが、使用する波長が異なります。混同注意:他の酵素測定法で使用される波長と混同しやすいです。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、酵素活性測定におけるJSCC勧告法やIFCC勧告法などの標準法について、使用する基質、共役酵素、測定波長、吸光度の変化方向(増加か減少か)がよく問われます。特に340nmを使用するNADH/NADPHの酸化還元反応は頻出です。
混同注意
340nmを使用する酵素としてASTやLDHなどもありますが、これらはNADHの"消費"を測定するため、吸光度は"減少"します。CKはNADPHの"生成"を測定するため、吸光度は"増加"します。この吸光度変化の方向が混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず問題文中の「340nm」と「吸光度増加」という二つのキーワードに着目し、これらがNADH/NADPHの「生成」を意味することを確認します。次に、各選択肢の酵素測定法の反応経路を思い出し、どの酵素がNADH/NADPHの生成を伴うかを判断します。
関連知識
NADHおよびNADPHは340nmに極大吸収を持つため、多くの酵素活性測定法において共役酵素反応を通じてNADH/NADPHの生成または消費を測定することで、対象酵素の活性を間接的に定量します。それぞれの酵素測定法における具体的な反応経路と、それに伴うNADH/NADPHの変化方向を理解することが重要です。