疾患と検出される自己抗体の組合せで誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Goodpasture症候群は、腎臓の糸球体基底膜と肺胞基底膜のⅣ型コラーゲンに存在する非コラーゲン性ドメイン1(NC1)に対する自己抗体(抗GBM抗体)によって引き起こされる自己免疫疾患である。アセチルコリンレセプターに対する抗体は、重症筋無力症で検出される。
選択肢ごとの解説
- 1. 悪性貧血は、ビタミンB12の吸収に必要な内因子に対する自己抗体や、内因子を産生する胃壁細胞に対する自己抗体によって引き起こされる。これは正しい組み合わせである。選びやすい理由:悪性貧血と内因子抗体の関連は医学的に確立されているため、選択肢として違和感がない。混同注意:内因子抗体ではなく、胃壁細胞抗体も悪性貧血で検出されるが、内因子抗体の方が特異性が高い。
- 2. Basedow病は甲状腺機能亢進症を来す自己免疫疾患であり、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体に対する刺激性自己抗体(TRAb: TSH receptor antibody)によって甲状腺が過剰に刺激されることで発症する。これは正しい組み合わせである。選びやすい理由:Basedow病とTSHレセプター抗体の関連は非常に有名であり、多くの受験生が知っているため。混同注意:橋本病も甲状腺の自己免疫疾患だが、抗サイログロブリン抗体や抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)が検出される。
- 3. 関節リウマチ(RA)は、滑膜炎を主徴とする全身性の自己免疫疾患であり、抗CCP抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体)はRAに特異性が高く、早期診断や予後予測に有用なマーカーである。これは正しい組み合わせである。選びやすい理由:抗CCP抗体はリウマチ因子(RF)とともにRAの主要な診断マーカーとして認知度が高いため。混同注意:リウマチ因子(RF)もRAで検出されるが、特異性は抗CCP抗体の方が高い。
- 4. 正解。Goodpasture症候群で検出される自己抗体は、腎臓の糸球体基底膜および肺胞基底膜のIV型コラーゲンに対する抗GBM抗体である。アセチルコリンレセプターに対する抗体は、重症筋無力症で検出されるため、この組み合わせは不適切である。正しくは:Goodpasture症候群 — 抗GBM抗体選びやすい理由:自己免疫疾患とその関連抗体という形式は正しいが、具体的な組み合わせが誤っているため、他の選択肢に自信がない場合に選んでしまう可能性がある。混同注意:重症筋無力症の主要な自己抗体である抗アセチルコリンレセプター抗体と、Goodpasture症候群の抗GBM抗体。
- 5. 原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、肝臓の小葉間胆管の破壊を特徴とする自己免疫性肝疾患であり、抗ミトコンドリア抗体(AMA)が非常に高頻度(約90-95%)で検出される。これは正しい組み合わせである。選びやすい理由:PBCと抗ミトコンドリア抗体の関連は非常に特異的で、国試でも頻出の知識であるため、選択肢として自然である。混同注意:原発性硬化性胆管炎(PSC)も胆管の疾患だが、P-ANCAなどが検出される。
国試ポイント
代表的な自己免疫疾患と、それぞれの疾患で検出される特異的な自己抗体(特に診断基準や病態と直結するもの)を正確に結びつけて覚える。
混同注意
自己免疫疾患は数多く存在し、それぞれに複数の自己抗体が関連する場合があるため、代表的な疾患と最も特異的な自己抗体の組み合わせを正確に覚えることが重要。
次に同じ論点が出たら
疾患名と自己抗体の組み合わせ問題が出題された場合、まず各疾患の基本的な病態生理を想起し、その病態に関与する主要な自己抗体か否かを確認する。
関連知識
重症筋無力症は神経筋接合部の機能障害による筋力低下を主徴とし、抗アセチルコリンレセプター抗体が診断に有用である。また、Goodpasture症候群は急速進行性糸球体腎炎と肺出血を特徴とする。