標準12誘導心電図(別冊No. 2)を別に示す。所見はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
心電図上、P波は消失し、基線にのこぎり歯状の粗いF波が認められます。特にⅡ、Ⅲ、aVF誘導でF波が明瞭で、RR間隔は一定ではなく、QRS波は正常であることから、心房粗動と診断できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 心房細動は、P波が消失し、基線に不規則で細かいf波(細動波)が認められ、RR間隔が完全に不整となるのが特徴です。本心電図ではのこぎり歯状のF波がみられ、心房細動のf波とは異なります。正しくは:心房細動では不規則なf波が見られます。選びやすい理由:P波がはっきりしない点で心房細動と共通していますが、基線の揺れの性状が異なります。混同注意:心房粗動(不規則なF波)
- 2. 正解。P波は消失し、基線にのこぎり歯状の粗いF波(粗動波)が認められます。特にⅡ、Ⅲ、aVF誘導で明瞭です。RR間隔は不規則で、QRS波は正常であり、心房粗動の典型的な所見です。選びやすい理由:心電図の基礎知識が正確であれば、直接的な診断に繋がります。
- 3. 上室頻拍(PSVT)は、突然発症・停止する規則的な頻拍で、P波はQRS波に先行したり、QRS波に埋もれたり、QRS波の直後に見られたりします。QRS波は通常狭く、リズムは規則的です。本心電図はRR間隔が不規則で、のこぎり歯状のF波がみられるため異なります。正しくは:上室頻拍では規則的な頻拍で、P波の形態や位置が特徴的です。選びやすい理由:頻拍性不整脈であるという点で共通しますが、P波の有無とリズムの規則性が異なります。混同注意:心房粗動、心房細動
- 4. 心室細動は、P波、QRS波、T波がすべて消失し、基線に不規則で不整な細動波(f波)が認められる重篤な不整脈です。心拍は感知できず、心停止状態に近いです。本心電図ではQRS波が明瞭に認められるため、心室細動ではありません。正しくは:心室細動ではP波、QRS波、T波がすべて消失し、不規則な細動波がみられます。選びやすい理由:重篤な不整脈という認識から、知識が曖昧だと誤って選択する可能性があります。混同注意:心房細動(QRS波は存在する)
- 5. 心室頻拍(VT)は、通常、QRS波が幅広く(0.12秒以上)、RR間隔が比較的規則的な頻拍です。P波は認められないか、QRS波と無関係に認められます(房室解離)。本心電図ではQRS波が正常幅であり、心室頻拍の所見とは異なります。正しくは:心室頻拍ではQRS波が幅広く、RR間隔が比較的規則的です。選びやすい理由:頻拍性不整脈であるという点で共通しますが、QRS幅や起源が異なります。混同注意:上室頻拍(QRS幅が広い)
国試ポイント
心房粗動の心電図所見(P波消失、粗いF波、不規則なRR間隔、正常QRS波)を正確に識別する能力が問われています。
混同注意
心房細動と心房粗動は混同しやすいですが、心房細動はf波(細動波)と呼ばれる不規則で細かい基線の揺れが特徴で、心房粗動のF波(粗動波)のような規則的なのこぎり歯状の波形は見られません。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まずP波の有無と基線の状態を確認します。のこぎり歯状のF波があれば心房粗動、不規則な細かいf波があれば心房細動と判断します。
関連知識
心房粗動は、心房内でリエントリー回路が形成され、心房が250-350回/分程度の頻度で興奮する状態です。心室への伝導は房室結節の不応期により制限され、通常2:1や3:1の割合で伝導されます。