採血中に患者の顔面が蒼白になり、気分不快を訴えた。この採血合併症について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
採血中の顔面蒼白や気分不快は、迷走神経反射(血管迷走神経反応)の典型的な症状です。迷走神経反射は、採血時の痛みや精神的ストレス(恐怖心、不安など)を誘因として、副交感神経が過剰に興奮することで起こります。その結果、徐脈、血圧低下、末梢血管拡張による顔面蒼白、冷汗、吐き気などの症状が現れます。迷走神経反射は一般的に若年者(特に思春期の女性)に多く見られるとされており、高齢者に特によく見られるという記述は適切ではありません。症状が出た場合は、患者の安全を最優先し、直ちに採血を中止し、ショック体位(仰臥位で下肢挙上など)をとらせ、安静にさせることが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 気分不快や顔面蒼白は迷走神経反射の症状であり、迷走神経刺激により心拍数は減少します(徐脈)。したがって、この記述は正しいです。正しくは:心拍数が減少します(徐脈)は正しい。選びやすい理由:気分不快や顔面蒼白が症状であるため、循環動態の変化が生じるのは自然に思える。混同注意:迷走神経反射は副交感神経の過剰な興奮によるため、交感神経系の反応(頻脈など)と混同しやすいが、実際は徐脈となる。
- 2. 正解。迷走神経反射は、採血時の痛みや精神的ストレスが引き金となり若年者に多く見られる傾向があります。高齢者より若年者に多いとされるため、この記述は適切ではありません。正しくは:若年者によく見られます。選びやすい理由:一般的に高齢者は様々な合併症のリスクが高いという漠然とした知識から、選びがちになる。混同注意:他の採血関連合併症(例:血管脆弱性による内出血など)が高齢者に多いことと混同しやすいが、迷走神経反射の好発年齢は若年者である。
- 3. 迷走神経反射では、血管拡張と徐脈により血圧が低下します。したがって、この記述は正しいです。正しくは:血圧が下がりますは正しい。選びやすい理由:迷走神経反射の主な症状の一つであり、顔面蒼白や気分不快と関連づけやすい。混同注意:血圧の変動に関する知識は重要だが、ショック状態との区別をしっかり理解する必要がある。
- 4. 採血への恐怖心や不安といった精神的な緊張は、迷走神経反射の主要な誘因の一つです。したがって、この記述は正しいです。正しくは:精神的な緊張が原因となることがありますは正しい。選びやすい理由:心理的要因が身体症状に影響を与えることは一般的によく知られているため、正しいと判断しやすい。混同注意:心理的要因だけでなく、痛みや空腹なども誘因となるため、単一の原因に限定しないように注意が必要。
- 5. 患者の安全確保が最優先であるため、気分不快などの症状が出たら直ちに採血を中止し、体位変換(臥位など)や観察を行うのが適切な対応です。したがって、この記述は正しいです。正しくは:すぐに採血を中断すべきは正しい。選びやすい理由:患者の安全を確保するための基本的な処置であり、医療従事者として当然の判断として理解できる。混同注意:採血中に症状が出た際の他の対処法(例:声をかける、休ませる)と混同することはないが、即時中断の重要性を理解しておく必要がある。
国試ポイント
迷走神経反射の基本的な症状、誘因、好発年齢、および緊急時の対応を正しく理解しているかを問う問題です。特に、迷走神経反射の好発年齢に関する誤った記述を見抜けるかがポイントとなります。
混同注意
迷走神経反射と、他の採血合併症(例:神経損傷、感染、血腫など)との鑑別。また、迷走神経反射の好発年齢が、他の高齢者に多い疾患や合併症と混同されやすい点。
次に同じ論点が出たら
同様の症状が提示された場合、迷走神経反射を疑い、心拍数・血圧の変化、好発年齢、適切な対応について再確認する。
関連知識
迷走神経反射のメカニズム(副交感神経の過剰興奮)、症状(徐脈、血圧低下、顔面蒼白、冷汗、吐き気)、誘因(痛み、恐怖、不安、睡眠不足、空腹)、対応(中止、体位変換、観察)。