細胞診標本上でみられる小細胞癌の形態学的特徴はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
小細胞癌の細胞診標本では、細胞質が乏しく、核が互いに密着して変形し、押し合って配列する「鋳型状配列(Nuclear molding)」が非常に特徴的な所見です。この特徴は、小細胞癌の診断において重要な鍵となります。その他の選択肢は、扁平上皮癌や腺癌といった異なる種類の癌に典型的に見られる形態学的特徴であり、小細胞癌の所見ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 小細胞癌では細胞質が非常に乏しいため、核が細胞質の一端に偏るような形態は通常見られません。正しくは:これは腺癌(特に円柱上皮細胞)や形質細胞などに見られる特徴です。選びやすい理由:一般的な癌細胞の形態学的特徴として認識されているため、特定の癌種との結びつきを誤解しやすいです。混同注意:腺癌や形質細胞の形態と混同しやすいです。
- 2. 角化物質の形成(真珠形成)は扁平上皮癌(特に高分化型)に特徴的な所見であり、神経内分泌腫瘍である小細胞癌では見られません。正しくは:これは扁平上皮癌の形態学的特徴です。選びやすい理由:癌細胞の分化を示す重要な特徴として認識されているため、癌腫間の特徴を混同しやすいです。混同注意:扁平上皮癌の形態と混同しやすいです。
- 3. 細胞質内に粘液空胞が出現するのは、粘液産生性の腺癌(例:印環細胞癌)に特徴的な所見であり、小細胞癌では通常認められません。正しくは:これは腺癌の形態学的特徴です。選びやすい理由:腺癌の一般的な特徴として知られているため、他の癌種との区別を誤る可能性があります。混同注意:粘液産生性腺癌の形態と混同しやすいです。
- 4. 正解。小細胞癌は細胞質が極めて乏しいため、核が互いに密着して強く押し合い、その結果として核が変形し、互いの形に沿って「鋳型に流し込んだ」ように見える特徴的な配列(鋳型状配列、Nuclear molding)を示します。これは小細胞癌の細胞診における重要な診断基準です。
- 5. オタマジャクシ型細胞は、主に扁平上皮癌(特に角化型)で観察される異型細胞の一種であり、小細胞癌ではこのような細胞形態は通常見られません。正しくは:これは扁平上皮癌の異型細胞の特徴です。選びやすい理由:異型細胞の多様な形態の一つとして、他の癌種で見られる特徴と混同する可能性があります。混同注意:扁平上皮癌の異型細胞(紡錘形細胞など)と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、主要な肺癌の組織型(小細胞癌、扁平上皮癌、腺癌など)の細胞診における特徴的な形態学的所見を正確に識別できるかを問うものです。特に、小細胞癌の核の形態と配列パターンが診断のポイントとなることを理解しているかを確認しています。各癌種に特有の細胞学的特徴をしっかりと区別できる知識が求められます。
混同注意
各選択肢に挙げられた特徴(核偏在性、真珠形成、粘液空胞、オタマジャクシ型)は、それぞれ腺癌や扁平上皮癌といった他の主要な癌種の細胞学的特徴であり、これらを小細胞癌の特徴と誤って認識しないことが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の主要な肺癌の組織型(扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌など)や、他の臓器の癌(例:甲状腺癌、乳癌など)における特徴的な細胞学的所見(例:乳頭状癌の核内封入体、濾胞性癌の異型濾胞細胞など)が問われる可能性があります。また、異型細胞の具体的な鑑別点や、背景所見(壊死、炎症など)の評価も重要になります。
関連知識
小細胞癌の細胞学的特徴:小型で、リンパ球の2~3倍程度の大きさ。細胞質は極めて乏しく、裸核状に見える。核は円形から卵円形、またはやや不整形。クロマチンは顆粒状で均一に分布し、核小体は不明瞭。核融解を伴う壊死の背景もしばしば見られる。扁平上皮癌:角化型では真珠形成、オタマジャクシ型細胞、紡錘形細胞、オレンジG好染性細胞質などが特徴。腺癌:核偏在性、粘液空胞、腺管形成、乳頭状配列、辺縁のブラシ状構造など。