新生児髄膜炎が疑われた患児の髄液のGram染色標本(別冊No. 15)を別に示す。最も考えられる菌種はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
新生児髄膜炎の主要な原因菌には、B群レンサ球菌(Streptococcus agalactiae)、Escherichia coli、Listeria monocytogenesが挙げられる。グラム染色の画像がグラム陰性桿菌を示唆している場合、これらの主要原因菌の中でグラム陰性桿菌であるのはEscherichia coliのみである。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。新生児髄膜炎の主要な原因菌であり、グラム染色ではグラム陰性桿菌として観察される。下に示す画像はグラム陰性桿菌を示唆しているため、最も考えられる菌種である。
- 2. Listeria monocytogenesは新生児髄膜炎の原因菌となるが、グラム陽性桿菌である。画像はグラム陰性桿菌を示しているため、誤り。正しくは:グラム陽性桿菌として観察されるため、画像がグラム陰性桿菌を示す場合は該当しない。選びやすい理由:新生児髄膜炎の原因菌の一つであるため。混同注意:グラム染色像の形状(桿菌)は似ているが、グラム陽性か陰性かで区別される。
- 3. Neisseria gonorrhoeaeは髄膜炎の原因となることがあるが、新生児髄膜炎の主要な原因菌ではなく、通常はグラム陰性双球菌として観察される。画像は桿菌を示しているため、誤り。正しくは:グラム陰性双球菌として観察されるため、画像がグラム陰性桿菌を示す場合は該当しない。選びやすい理由:グラム陰性菌であるため、グラム染色の結果の一部は一致する。混同注意:グラム陰性菌であることと、菌の形態(球菌と桿菌)で混同しやすい。
- 4. Pseudomonas aeruginosaはグラム陰性桿菌であるが、新生児髄膜炎の主要な原因菌としては稀であり、特に免疫不全患者や医療関連感染で多い。画像からはEscherichia coliとの鑑別は困難だが、新生児髄膜炎の頻度を考慮するとEscherichia coliがより適切。正しくは:新生児髄膜炎の主要な原因菌としては頻度が低い。選びやすい理由:グラム陰性桿菌であるため、グラム染色の結果は一致する。混同注意:グラム陰性桿菌という点では一致するが、臨床的状況(新生児髄膜炎の頻度)での主要な原因菌の知識で区別される。
- 5. Streptococcus agalactiae(B群レンサ球菌)は新生児髄膜炎の主要な原因菌の一つであるが、グラム陽性球菌として観察される。画像はグラム陰性桿菌を示しているため、誤り。正しくは:グラム陽性球菌として観察されるため、画像がグラム陰性桿菌を示す場合は該当しない。選びやすい理由:新生児髄膜炎の主要な原因菌の一つであるため。混同注意:新生児髄膜炎の主要原因菌という点で混同しやすいが、グラム染色像(陽性/陰性、球菌/桿菌)で鑑別できる。
国試ポイント
新生児髄膜炎の主要な原因菌とそのグラム染色像を関連付けて理解しているか、また画像からグラム染色所見を正確に読み取れるかが問われている。
混同注意
新生児髄膜炎の主要な原因菌であるB群レンサ球菌やListeria monocytogenesと、グラム染色像から鑑別する知識が混同しやすい。特にグラム陽性か陰性か、球菌か桿菌かの区別が重要。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、まず疾患(新生児髄膜炎)と患者の年齢から主要な原因菌のリストを想起し、次に提示されたグラム染色像(グラム性状と形態)と照らし合わせて最も矛盾しない菌種を選択する。
関連知識
新生児髄膜炎の原因菌として、出生経路による感染(母体からの垂直感染)が主な経路となる。B群レンサ球菌やEscherichia coliは産道常在菌として知られる。グラム染色の基本原理、陽性菌と陰性菌の違い、球菌と桿菌の形態についても理解が必要。