生化学検査にEDTA-2 K採血管を使用した。異常低値を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
EDTAはキレート作用により金属イオンと結合し、不溶性のキレートを形成します。鉄はEDTAと強く結合するため、EDTA-2K添加採血管で採血された検体を用いた場合、測定される鉄の遊離型が減少し、異常に低い値を示す可能性があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。EDTAは鉄イオンとキレートを形成するため、測定される鉄の値が異常に低くなる可能性があります。選びやすい理由:キレート作用による影響を理解していれば正しい選択です。混同注意:EDTAが影響する他の金属イオン
- 2. リンはEDTAと直接キレート結合しないため、測定値への影響は小さいです。正しくは:リンはEDTAの影響を受けにくい項目です。選びやすい理由:EDTAがさまざまな生化学項目に影響を与えるため、リンも影響を受けると誤解する可能性があります。混同注意:EDTAがキレートする金属イオンと、キレートしないイオンの区別
- 3. クロールは陰イオンであり、EDTAのキレート作用の対象となる金属イオンではありません。したがって、EDTA添加による測定値への直接的な影響は小さいです。正しくは:クロールはEDTAの影響を受けにくい項目です。選びやすい理由:電解質項目全般が影響を受けると誤解する可能性があります。混同注意:金属イオンと非金属イオンの区別
- 4. グルコースはEDTAのキレート作用の対象となる物質ではありません。ただし、血糖測定では解糖を抑制するためにフッ化ナトリウム(NaF)が添加された採血管が使用されます。EDTA-2Kでは解糖は抑制されないため、時間の経過とともに値が低下する可能性がありますが、EDTA自体の直接的な影響ではありません。正しくは:グルコースの測定値低下はEDTAの直接的なキレート作用によるものではなく、解糖によるものです。選びやすい理由:採血管の種類によって血糖値が変動するという知識から、EDTAも何らかの影響を与えると考えてしまう可能性があります。混同注意:EDTAのキレート作用と、解糖抑制剤(NaF)の作用
- 5. ナトリウムはEDTAのキレート作用の対象となる金属イオンではありません。EDTA-2Kはカリウム製剤であるため、カリウム値は上昇しますが、ナトリウム値は大きく変動しません。正しくは:ナトリウムはEDTAの影響を受けにくい項目です。カリウムは上昇します。選びやすい理由:EDTA-2Kはカリウム製剤であるため、電解質全般に影響があると誤解し、ナトリウムも影響を受けると考えてしまう可能性があります。混同注意:EDTA-2Kがカリウム製剤であることと、そのキレート作用の対象
国試ポイント
EDTA-2Kがキレート作用により金属イオンと結合し、特に鉄やカルシウムなどの測定値に影響を与えることを理解する。
混同注意
EDTAによる影響は、検査項目によって異なること。EDTAはカリウム製剤であるため、カリウム値は上昇する点。
次に同じ論点が出たら
金属イオン(特に2価陽イオン)の検査項目が出た場合、EDTAの影響を疑い、キレート作用によって測定値が低くなる可能性を考慮して判断する。
関連知識
EDTAは血液凝固検査には使用できない(カルシウムを除去するため)。血液ガス分析はヘパリンを使用する。血糖測定はNaF(フッ化ナトリウム)を添加した採血管を使用する。