トロンボモジュリンに結合したトロンビンの作用はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
トロンビンは通常、凝固促進作用を持ちますが、血管内皮細胞表面のトロンボモジュリンに結合することでその性質が大きく変化します。この複合体は、プロテインCを効率的に活性化する酵素へと機能が転換します。活性化されたプロテインCは、さらにプロテインSと協力して凝固促進因子である第Va因子と第Ⅷa因子を不活化することで、血液凝固を抑制する重要な役割を担います。
選択肢ごとの解説
- 1. トロンビン単独は血小板を活性化しますが、トロンボモジュリンに結合したトロンビンは凝固促進作用を失い、血小板活性化作用も弱まります。正しくは:トロンビン単独の作用として記述されるべきです。選びやすい理由:トロンビンが血小板活性化に関与するという知識があるため、混同しやすいです。混同注意:トロンビンがトロンボモジュリンに結合していない状態での凝固促進作用と混同しやすいです。
- 2. トロンビンはフィブリノゲンをフィブリンに変換しますが、トロンボモジュリンに結合したトロンビンはこの作用を失い、逆に抗凝固作用を示します。正しくは:トロンビン単独の作用として記述されるべきです。選びやすい理由:トロンビンの最も代表的な凝固作用であるため、誤って選びやすいです。混同注意:トロンビンがトロンボモジュリンに結合していない状態での凝固促進作用と混同しやすいです。
- 3. トロンビンは第Ⅴ因子を活性化し、プロトロンビナーゼ複合体形成を促進しますが、トロンボモジュリンに結合したトロンビンは凝固促進作用を失います。正しくは:トロンビン単独の作用として記述されるべきです。選びやすい理由:トロンビンが凝固経路の多くの因子を活性化するという知識から、選びやすい可能性があります。混同注意:トロンビンがトロンボモジュリンに結合していない状態での凝固促進作用と混同しやすいです。
- 4. トロンビンは第Ⅷ因子を活性化し、内因系凝固経路を促進しますが、トロンボモジュリンに結合したトロンビンは凝固促進作用を失います。正しくは:トロンビン単独の作用として記述されるべきです。選びやすい理由:トロンビンが凝固経路の多くの因子を活性化するという知識から、選びやすい可能性があります。混同注意:トロンビンがトロンボモジュリンに結合していない状態での凝固促進作用と混同しやすいです。
- 5. 正解。トロンビンが血管内皮細胞表面のトロンボモジュリンに結合すると、その基質特異性が変化し、フィブリノゲンや凝固因子への作用は失われる代わりに、プロテインCを活性化する能力が著しく高まります。活性化されたプロテインCは、凝固促進因子の第Va因子および第Ⅷa因子を分解し、抗凝固作用を発揮します。
国試ポイント
トロンビンがトロンボモジュリンと結合した際の機能変化、特にプロテインC活性化による抗凝固作用について理解しているかを問う問題です。トロンビンの持つ二面性(凝固促進作用と抗凝固作用への関与)を正確に把握しているかが重要となります。
混同注意
トロンビン単独の凝固促進作用(フィブリン形成、血小板活性化、第V因子・第VIII因子活性化など)と、トロンボモジュリン結合時の抗凝固作用を混同しやすいです。トロンビンは結合相手によって機能が変わることを理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合は、トロンビンがどの分子と結合しているか(単独か、トロンボモジュリンか、ヘパリン・アンチトロンビンIII複合体かなど)によって作用がどう変化するかを確認します。また、プロテインC系、線溶系、血小板系の各抗凝固/線溶メカニズムについても注意を払う必要があります。
関連知識
プロテインC系の機能不全が血栓症のリスクを高めること、プロテインSがプロテインCの補因子であること、トロンビンがフィブリノゲンからフィブリンを生成する主要な酵素であること、ヘパリンの抗凝固メカニズム(アンチトロンビンIIIを介する)など。