白血病細胞の細胞表面マーカーでCD5、CD20及びCD23が陽性であった。考えられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
慢性リンパ性白血病(CLL)は、特徴的にCD5陽性のBリンパ球が増殖する疾患です。加えてB細胞マーカーであるCD20(しばしば弱陽性)と、CD23が陽性となることが知られており、この免疫形質はCLLの診断において非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 成人T細胞白血病は通常、CD3、CD4、CD8などのT細胞マーカーが陽性となりますが、CD5、CD20、CD23の組み合わせでは典型的ではありません。正しくは:CD3、CD4陽性、CD7陰性、CD25陽性などの特徴がある場合に疑われます。選びやすい理由:T細胞由来のリンパ系腫瘍として、リンパ球系白血病の選択肢として考えられるため。混同注意:他のリンパ系白血病と混同しやすい。
- 2. ヘアリー細胞白血病はB細胞性リンパ増殖性疾患ですが、典型的にはCD11c、CD25、CD103、CD123が陽性となり、CD5とCD23は通常陰性です。正しくは:CD11c、CD25、CD103、CD123陽性などの特徴がある場合に疑われます。選びやすい理由:B細胞性白血病として、CD20陽性という共通点から選択肢として浮上するかもしれません。混同注意:他のB細胞性白血病と混同しやすい。
- 3. 正解。慢性リンパ性白血病(CLL)は、成熟B細胞に由来する悪性腫瘍であり、CD5陽性B細胞の増殖が特徴的です。同時にB細胞マーカーであるCD20(弱陽性であることが多い)と、CD23も陽性となる典型的な免疫形質です。
- 4. 急性巨核芽球性白血病は骨髄性白血病の一種で、血小板系細胞に由来します。CD41a(GPIIb/IIIa)、CD61(GPIIIa)などの巨核球系マーカーが陽性となり、リンパ球系のCD5、CD20、CD23が陽性となることはありません。正しくは:CD41a、CD61陽性などの特徴がある場合に疑われます。選びやすい理由:急性白血病である点から、他の白血病と混同して選んでしまう可能性。混同注意:リンパ系白血病と骨髄系白血病の区別、特に各白血病の典型的な細胞表面マーカーと混同しやすい。
- 5. Bリンパ芽球性白血病(ALLのB細胞系)は、未熟なBリンパ球に由来します。CD10(共通ALL抗原)、CD19、CD22(細胞内)、TdTなどが陽性となりますが、成熟B細胞マーカーであるCD23が陽性となることは稀であり、CD5は通常陰性です。正しくは:CD10、CD19、TdT陽性などの特徴がある場合に疑われます。選びやすい理由:B細胞由来の白血病であるため、CD20陽性という共通点から選択肢として浮上するかもしれません。しかし、CD5とCD23の同時陽性は典型的ではありません。混同注意:他のB細胞性白血病、特に成熟度によるマーカー発現の違いと混同しやすい。
国試ポイント
白血病の鑑別診断における細胞表面マーカーの理解が問われています。特に慢性リンパ性白血病(CLL)に特徴的なCD5、CD20、CD23の同時陽性を正確に覚えているかがポイントです。
混同注意
各リンパ系白血病(B細胞性、T細胞性、急性、慢性)の典型的な細胞表面マーカープロファイル。特にB細胞性腫瘍におけるCD5とCD23の有無は重要です。例えば、CD5陽性B細胞リンパ腫にはマントル細胞リンパ腫も含まれますが、マントル細胞リンパ腫ではCD23は陰性であることが一般的です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず提示されたマーカーの組み合わせがB細胞由来かT細胞由来かを判断し、次にその細胞の成熟度(芽球性か成熟細胞か)を考慮します。特に、CD5陽性B細胞性リンパ増殖性疾患の鑑別ポイント(CD23の有無など)を押さえることが重要です。
関連知識
CD5陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患として、CLL/SLL以外にはマントル細胞リンパ腫があります。両者の鑑別にはCD23(CLL/SLLでは陽性、マントル細胞リンパ腫では陰性)やcyclin D1(マントル細胞リンパ腫で陽性)が重要です。また、CD20は汎B細胞マーカーであり、多くのB細胞性腫瘍で陽性となりますが、その発現強度も診断の手がかりとなることがあります。