リンパ腫の原因となるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は、レトロウイルス科に属するRNAウイルスであり、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)の主要な原因ウイルスです。HTLV-1の感染者のごく一部が、長い潜伏期間を経てATLLを発症することが知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. サイトメガロウイルスは先天性感染症や免疫不全患者における日和見感染症(肺炎、網膜炎、消化器炎など)を引き起こしますが、リンパ腫の主要な原因ウイルスではありません。正しくは:リンパ腫の原因ウイルスには、EBウイルス、HTLV-1、HIVなどがあります。選びやすい理由:同じヘルペスウイルス科に属するEBウイルスがリンパ腫の原因となるため、関連性を誤解しやすいです。また、免疫不全患者で重篤な疾患を引き起こすことから、がんとの関連を連想することもあります。混同注意:EBウイルス(伝染性単核球症、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫などの原因)
- 2. 単純ヘルペスウイルスは口唇ヘルペスや性器ヘルペスといった皮膚粘膜病変を引き起こしますが、リンパ腫の主要な原因ウイルスではありません。正しくは:リンパ腫の原因ウイルスには、EBウイルス、HTLV-1、HIVなどがあります。選びやすい理由:サイトメガロウイルスと同様にヘルペスウイルス科であるため、リンパ腫の原因ウイルスであるEBウイルスと混同し、関連性を考えてしまうことがあります。混同注意:EBウイルス
- 3. 正解。HTLV-1はレトロウイルス科に属するウイルスで、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)の主要な原因ウイルスとして知られています。ATLLはT細胞性のリンパ腫の一種です。
- 4. HPVは子宮頸がん、肛門がん、中咽頭がんなどの原因となるウイルスですが、リンパ腫の主要な原因ウイルスではありません。正しくは:リンパ腫の原因ウイルスには、EBウイルス、HTLV-1、HIVなどがあります。選びやすい理由:HPVは「がん」の原因ウイルスとして非常に有名であるため、他の「がん」であるリンパ腫の原因であると誤って判断しやすいです。混同注意:Epstein-Barrウイルス (EBV) やヒトT細胞白血病ウイルス1型 (HTLV-1) など、リンパ腫の原因となる他のウイルス
- 5. ヒトパルボウイルスB19は伝染性紅斑(りんご病)や、溶血性貧血患者における無形成発作、胎児水腫などを引き起こしますが、リンパ腫の原因となることはありません。正しくは:リンパ腫の原因ウイルスには、EBウイルス、HTLV-1、HIVなどがあります。選びやすい理由:小児疾患だけでなく、免疫不全者での慢性貧血など、比較的重篤な病態も引き起こすため、がんとの関連を連想してしまうかもしれません。混同注意:EBウイルス、HTLV-1、HIVなど
国試ポイント
ウイルスと関連する疾患の組み合わせ、特にがん原性ウイルスとその標的臓器や細胞種は、臨床検査技師国家試験で頻繁に出題される重要なポイントです。この問題は、代表的ながん原性ウイルス(HTLV-1, EBV, HPV, HBV, HCVなど)とそれらが引き起こす疾患の関連を正確に覚えているかを確認しています。
混同注意
ヘルペスウイルス科に属するウイルス(サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス)と、同じヘルペスウイルス科でありながらリンパ腫の原因となるEBウイルスを混同しやすいです。また、一般的に有名ながん原性ウイルス(HPVなど)と、リンパ腫に特異的な原因ウイルスを混同することもあります。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、他の代表的ながん原性ウイルス(EBV, HPV, HBV, HCV, KSHV)と、それぞれが原因となるがんの種類や疾患名を問われる可能性が高いです。特に、どのウイルスがどの細胞種や臓器の腫瘍に関与するかを正確に把握しておくことが重要です。
関連知識
リンパ腫の原因となるその他の主なウイルスには、EBウイルス(バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫など)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV:エイズ関連リンパ腫)、C型肝炎ウイルス(HCV:B細胞性非ホジキンリンパ腫との関連)、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV/HHV-8:原発性滲出性リンパ腫)などがあります。