欠乏により巨赤芽球性貧血をきたすのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
巨赤芽球性貧血は、DNA合成に必要なビタミンB12(コバラミン)または葉酸(ビタミンB9)の欠乏によって引き起こされます。これらのビタミンが不足すると、赤血球前駆細胞のDNA合成が阻害され、核の成熟が細胞質の成熟に遅れることで、未熟なまま大型化した巨赤芽球が骨髄に出現します。これは、赤血球だけでなく白血球や血小板の成熟にも影響を及ぼし、汎血球減少を伴うこともあります。
選択肢ごとの解説
- 1. ビタミンAの欠乏は、夜盲症、角膜乾燥症、皮膚の乾燥などを引き起こしますが、巨赤芽球性貧血とは直接的な関連がありません。正しくは:ビタミンAは巨赤芽球性貧血の原因ではありません。選びやすい理由:ビタミンは栄養素として重要であり、何らかの貧血に関与すると誤解される可能性があります。混同注意:ビタミン欠乏による症状全般と混同しがちですが、貧血の種類やメカニズムはそれぞれ異なります。
- 2. 正解。ビタミンB12(コバラミン)と葉酸(ビタミンB9)は、DNA合成に不可欠な補酵素です。これらのビタミンが不足すると、赤血球のDNA合成が障害され、核の成熟が細胞質の成熟に遅れることで、特徴的な巨赤芽球が出現し、巨赤芽球性貧血を発症します。
- 3. ビタミンCの欠乏は壊血病を引き起こし、また鉄の吸収を助ける役割があるため、間接的に鉄欠乏性貧血に関与することがありますが、巨赤芽球性貧血の直接の原因ではありません。正しくは:ビタミンCは巨赤芽球性貧血の原因ではありません。選びやすい理由:貧血との関連があるため、選択肢として魅力的に映るかもしれませんが、鉄欠乏性貧血と巨赤芽球性貧血は異なります。混同注意:鉄欠乏性貧血やその他のビタミン欠乏症と混同しやすいですが、巨赤芽球性貧血とはメカニズムが異なります。
- 4. ビタミンDの欠乏は、くる病(小児)や骨軟化症(成人)など、骨代謝の異常を引き起こしますが、巨赤芽球性貧血とは関連しません。正しくは:ビタミンDは巨赤芽球性貧血の原因ではありません。選びやすい理由:他のビタミンと同様に、欠乏症があるため、誤って選ばれる可能性があります。混同注意:骨代謝疾患と混同する可能性があります。
- 5. ビタミンEの欠乏は、溶血性貧血や神経症状を引き起こすことがありますが、これは赤血球膜の酸化障害によるものであり、DNA合成障害による巨赤芽球性貧血とは異なる機序です。正しくは:ビタミンEは巨赤芽球性貧血の原因ではありません。選びやすい理由:「貧血」という言葉から、溶血性貧血と混同して選ばれる可能性があります。混同注意:溶血性貧血と混同しやすいですが、巨赤芽球性貧血とは原因も症状も異なります。
国試ポイント
特定のビタミン欠乏症とそれが引き起こす疾患や症状の組み合わせは、国家試験で頻繁に出題される重要なポイントです。特に巨赤芽球性貧血の原因となるビタミン(ビタミンB12、葉酸)は、そのメカニズムとともに確実に理解しておく必要があります。各ビタミンの主な生理的役割とその欠乏症を正確に区別できるかが問われます。
混同注意
「貧血」という広範な病態と、それぞれのビタミン欠乏症の具体的な症状や原因メカニズムを混同しやすいです。例えば、鉄欠乏性貧血(鉄欠乏)、溶血性貧血(ビタミンE欠乏など)、再生不良性貧血(造血幹細胞障害)といった他の貧血の種類と原因を混同しないように注意が必要です。また、ビタミンB群の中でも、巨赤芽球性貧血に直接関与するのはビタミンB12と葉酸であり、他のB群(例:B1チアミン、B2リボフラビン、B6ピリドキシン)の欠乏症とは明確に区別して理解することが求められます。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、各ビタミンの具体的な欠乏症や、巨赤芽球性貧血以外の貧血(鉄欠乏性貧血、溶血性貧血など)の原因となる栄養素についても問われる可能性があります。また、具体的な臨床検査所見と結びつけて、どのビタミン欠乏症かを診断させる問題や、特定の疾患(例:胃切除後)と関連付けて原因を問う問題も想定されます。
関連知識
ビタミンB12欠乏の原因としては、胃切除後、自己免疫性胃炎(内因子抗体陽性)、回腸末端疾患(クローン病など)、厳格な菜食主義などが挙げられます。葉酸欠乏の原因としては、アルコール摂取過多、妊娠、慢性溶血、吸収不良症候群、特定の薬剤(メトトレキサートなど)の使用があります。巨赤芽球性貧血の検査所見としては、MCV(平均赤血球容積)の著明な上昇、網状赤血球の減少、血清ビタミンB12または葉酸の低値、骨髄での巨赤芽球の出現、過分葉好中球などが特徴的です。