標準12誘導心電図(別冊No. 2)を別に示す。認められる所見はどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
この心電図では、まずQRS幅が0.12秒以上に延長しており、I, aVL, V5, V6誘導で幅広いR波にノッチが見られ、V1誘導でQSパターンを呈していることから、左脚ブロックの診断ができます。さらに、P波は規則的に出現しているものの、それに続くQRS波が時々脱落している部分が確認できるため、房室ブロックの所見も認められます。したがって、左脚ブロックと房室ブロックが正しい所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. 心電図上、V1誘導でM型のQRS波、V6誘導で幅広いS波、QRS幅の延長(0.12秒以上)が見られないため、右脚ブロックの所見は認められません。正しくは:右脚ブロックではV1誘導でRSR'パターン(M型QRS)、V6誘導で幅広いS波、QRS幅が0.12秒以上となります。選びやすい理由:脚ブロックという選択肢があるため、他のブロック所見と混同する可能性があります。混同注意:左脚ブロックや、不完全右脚ブロックの所見と混同する可能性があります。
- 2. 正解。心電図では、I、aVL、V5、V6誘導で幅広いR波の頂がノッチを示し、QRS幅が0.12秒以上に延長しています。また、V1誘導では深いQS波を呈しており、これは左脚ブロックの診断基準を満たします。正しくは:正しい選択肢です。混同注意:右脚ブロックの所見と混同する可能性があります。
- 3. 前壁中隔梗塞を示す異常Q波(QSパターン)やST上昇は、V1~V4誘導において認められません。心電図はむしろ左脚ブロックのパターンを示しています。正しくは:前壁中隔梗塞ではV1~V4誘導で異常Q波(QSパターン)やST上昇、T波の陰転が認められます。選びやすい理由:虚血性心疾患の病態知識がある場合、Q波やST変化を探そうとするかもしれませんが、この心電図では左脚ブロックの所見がより顕著です。混同注意:陳旧性心筋梗塞における異常Q波と、左脚ブロックによるQSパターンを混同する可能性があります。左脚ブロックでは通常、V1誘導にQSパターンを呈しますが、これは梗塞によるものではありません。
- 4. 正解。心電図を見ると、P波の後にQRS波が脱落している部分が複数回認められます。P波は規則的に出現しているにもかかわらず、QRS波が欠落しているため、これは房室ブロック(特に第二度房室ブロック)の所見に合致します。正しくは:正しい選択肢です。混同注意:洞不全症候群や心室性期外収縮など、他の不整脈所見と混同する可能性があります。
- 5. 心電図には、正常なQRS波形とは異なる、先行するP波を伴わない幅広いQRS波(心室性期外収縮の特徴)は認められません。正しくは:心室性期外収縮では、通常のP波に先行されず、QRS波が早期に出現し、QRS幅が広く、T波と逆方向になります。選びやすい理由:不整脈という括りで他の不整脈と混同する可能性があります。混同注意:心房性期外収縮や上室性期外収縮、または房室接合部性期外収縮と混同する可能性があります。
国試ポイント
標準12誘導心電図の判読能力、特に脚ブロックと房室ブロックの基本的な診断基準を理解しているかが問われています。虚血性心疾患の所見や他の不整脈との鑑別も重要です。
混同注意
脚ブロックと心筋梗塞によるQ波の鑑別。特に左脚ブロックのV1誘導QSパターンは、前壁中隔梗塞と混同しやすい。また、様々な不整脈の鑑別。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、まずQRS幅をチェックし脚ブロックの有無を確認します。次にP波とQRS波の関係を見て、房室ブロックの有無を確認します。その後、ST-T変化や異常Q波を確認し虚血性変化の有無を判断します。
関連知識
心電図の各波形(P, QRS, T)と間隔(PQ, QT)、幅(QRS幅)の正常値。右脚ブロックと左脚ブロックの心電図特徴。第一度~第三度房室ブロックの心電図特徴。心筋梗塞における異常Q波とST-T変化。