右足の足関節上腕血圧比〈ABI〉の算出に用いるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
足関節上腕血圧比(ABI)は、足関節の収縮期血圧を上腕の収縮期血圧で割った値です。この算出において、上腕血圧は左右の上腕で測定し、高い方の収縮期血圧を用いることとされています。これは、片方の上腕動脈に狭窄がある場合、その側の血圧が低くなるため、より高い血圧を示す側(すなわち、より正常に近い血流がある側)を基準値とすることで、足関節の血流障害を正確に評価するためです。
選択肢ごとの解説
- 1. ABIの算出には、左右の上腕でより高い方の収縮期血圧を用いるのが原則であるため、片側のみを用いるのは不適切です。正しくは:左右の上腕収縮期血圧のうち、高い方を用いる。選びやすい理由:測定対象の足とは反対側の上腕の血圧と短絡的に考えてしまうと選択しうる可能性があります。混同注意:特定の片側だけを用いる他の検査や指標の基準と混同する可能性があります。
- 2. ABIの算出には、左右の上腕でより高い方の収縮期血圧を用いるのが原則であるため、片側のみを用いるのは不適切です。正しくは:左右の上腕収縮期血圧のうち、高い方を用いる。選びやすい理由:測定対象の足と同じ側の上腕の血圧と短絡的に考えてしまうと選択しうる可能性があります。混同注意:特定の片側だけを用いる他の検査や指標の基準と混同する可能性があります。
- 3. ABIの算出においては、平均値ではなく、左右で高い方の収縮期血圧が採用されます。正しくは:左右の上腕収縮期血圧のうち、高い方を用いる。選びやすい理由:一般的な血圧管理などで平均値が使われることがあるため、つい選択肢として選びたくなるかもしれません。混同注意:左右の血圧を比較する際に単純に平均を取る場合と混同する可能性があります。
- 4. 正解。足関節上腕血圧比(ABI)の算出基準では、左右の上腕で動脈硬化の程度が異なる場合を考慮し、最も血流の良い(つまり高い血圧を示す)上腕の収縮期血圧を基準値として採用することで、足関節の血圧低下をより正確に評価できるため、この選択肢が正しいです。
- 5. 高い方を採用する理由は、左右の上腕で血管狭窄の程度が異なる場合に、狭窄のない側の血圧を基準とすることで、足関節の血流障害を正確に評価するためです。低い方を選ぶと、実際には問題のない側の血圧を基準としてしまい、足関節の虚血を見逃すか過大評価する可能性があります。正しくは:左右の上腕収縮期血圧のうち、高い方を用いる。選びやすい理由:何らかの異常を評価する際に、異常を示す方の値を採用するという考え方から、低い方を選ぶと誤解する可能性があります。混同注意:血圧の左右差が大きい場合に、低い方の血圧が異常を示す指標として用いられる場合と混同する可能性があります。
国試ポイント
ABIの計算における上腕血圧の選択基準に関する基本的な知識が問われています。左右差がある場合の対応や、なぜその値を選択するのかという理由まで理解しておくことが重要です。単に計算式を覚えるだけでなく、その背景にある生理学的・病態生理学的意味合いを理解しているかが問われます。
混同注意
左右の平均値を用いる、あるいは測定対象の足と同じ側の上腕血圧を用いる、といった誤解が挙げられます。また、上腕血圧の左右差そのものが何らかの疾患(例: 大動脈疾患)を示唆する場合と、ABIの計算における基準値選択の考え方を混同しやすいです。ABIでは、あくまでも足の血流障害を評価するための「基準」として、最も正常に近い上腕の血圧を採用するという点が重要です。
次に同じ論点が出たら
次にABIに関する問題が出た場合、計算式自体や、異常値の解釈(特に偽高値の概念)、さらに測定の際の注意点(安静時間、体位など)が問われる可能性があります。また、ABI低値が示唆する疾患(PAD)の症状や他の検査(PWVなど)との関連性も確認すると良いでしょう。
関連知識
ABIの正常値(0.91〜1.30)と異常値の解釈(0.9以下で閉塞性動脈硬化症の疑い、1.3以上で石灰化による偽高値)、測定手技、他の末梢動脈疾患の診断指標(TBIなど)についても理解しておくこと。また、左右の上腕血圧に20mmHg以上の差がある場合は、大動脈疾患や鎖骨下動脈狭窄症の可能性を考慮する必要があることも関連知識として重要です。